1、ERAの細胞内における局在の決定 抗ERA抗体を用いた蛍光免疫法および細胞分画法により、ERAはミトコンドリアに局在する結果を得た。そこで、ミトコンドリアにおけるERAの局在の決定を行った。HeLa細胞より単離したミトコンドリアに対して、濃度を変えた界面活性剤処理により外膜、内膜を段階的に破砕しproteinaseK処理を行ったところ、ERAはマトリクスタンパク質HSP70が分解する濃度の界面活性剤処理で分解した。さらに、ミトコンドリアを超音波破砕し、膜と可溶性画分に分けたところ、ERAは膜画分に存在していた。これらの結果より、ERAはミトコンドリアマトリクス側の内膜に結合していることが判明した。 2、ERAを含むタンパク質複合体の精製およびその構成因子の同定 FLAGおよびHis-tagを付加したERAの安定発現HeLa細胞株を樹立し、その細胞からミトコンドリア抽出液を調製した。その後、抗FLAG抗体を用いた免疫沈降、Niレジンを用いたアフィニティ精製の2段階精製を行うことで、高精製度のERAタンパク質複合体を得ることに成功した。さらに、その複合体をSDS-PAGEで分離し、複数の複合体構成成分由来のバンドを検出した。今後、ゲルより結合タンパク質を単離し、MALDI-TOF-TOF/MSで複合体構成成分の同定中である。 3、ERA欠損マウスの作製 マウスゲノムライブラリーを用いて、マウスERA遺伝子のクローニングを行った。
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