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2004 年度 実績報告書

細菌セラミダーゼの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16770100
研究機関九州大学

研究代表者

沖野 望  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (90363324)

キーワードセラミド / 緑膿菌 / セラミダーゼ / スフィンゴミエリナーゼ
研究概要

本年度の研究計画では研究計画1として細菌セラミダーゼの大量調製と阻害剤の探索と研究計画2としてノックアウト株の作成と生理機能の解析を計画していた。
研究計画1 細菌セラミダーゼの大量調製と阻害剤の探索
セラミダーゼ(CDase)の大量調製に関しては大腸菌を使用した発現系を構築し、その発現と精製を行ったところ、緑膿菌CDaseを大量に調製することに成功した。また、大量に精製した酵素を使用して、海洋から阻害剤のスクリーニングを行ったところ、いくつか有望なサンプルを見つけることが出来た。現在は、その中で阻害活性が強かったサンプルに関して、阻害剤の精製を進めている。
研究計画2 ノックアウト株の作成と生理機能の解析
緑膿菌CDaseのノックアウト株の作製に関しては、まずテトラサイクリン耐性遺伝子を緑膿菌CDase遺伝子内に導入したコンストラクトを作製した。このコンストラクトをpK19mobsacBに挿入して、接合により緑膿菌に導入し、テトラサイクリン耐性を指標にしてスクリーニングを行った。その結果、CDaseの活性を欠損したノックアウト株を得ることに成功した。CDaseノックアウト株の評価はCDase活性のみならず、抗CDase抗体を使用したウエスタンブロットも行い、タンパク質レベルでもその欠損の確認を行った。また、スフィンゴミエリナーゼ(SMase)に関しても同様な方法でノックアウト株の取得を試みている。
さらに、本研究を進める過程で、緑膿菌が分泌するSMaseにより引き起こされる羊赤血球の溶血がCDaseにより増強されることを見いだした。これは、緑膿菌が感染したときにSMaseにより血球表面で生じたセラミドがCDaseにより分解されることを示唆しており、緑膿菌CDaseの生理機能を解明する上で重要な手がかりとなるばかりでなく、病原菌による溶血機構を考える上で非常に興味深い。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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