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2005 年度 実績報告書

PICT-1による癌抑制遺伝子産物PTENの活性制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16770107
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

前濱 朝彦  (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40322755)

キーワード癌抑制遺伝子 / イノシトールリン脂質 / 細胞内シグナル伝達
研究概要

ホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸(PIP3)は細胞増殖シグナルの鍵となる重要な脂質性シグナル分子として知られている。癌抑制遺伝子産物PTENはPIP3を脱リン酸化することによって、細胞増殖シグナルをはじめとしたPIP3を介する細胞内シグナルを抑制するホスファターゼであり、細胞の恒常性を維持する上で非常に重要な役割を担っている。PICT-1はPTENへの結合を介してPTENのリン酸化・安定性を制御する分子であり、PICT-1-PTENの相互作用の阻害はPTENタンパク質の不安定化を引き起こす。このことは、PICT-1の機能損失がPTENの機能変化(不安定化→発現量減少)を介して、細胞増殖能をはじめとする様々な細胞形質の変化を誘導する可能性を示している。本研究では、PICT-1-PTEN制御系の破綻が引き起こす細胞内シグナル系の変化および細胞機能の変化を解析し、その結果HeLa細胞においてPICT-1のノックダウン(不活性化)がPKB/Aktを始めとするPIP3下流のエフェクター分子群を活性化し、また細胞増殖能を約2倍に亢進することを見いだした。この増殖促進作用はPTENを予めノックダウンしたHeLa細胞やPTENを発現していないU87MG細胞では観察されないことから、PICT-1がPTENの機能損失を介して細胞増殖能を亢進していることが示唆された。さらにPICT-1のノックダウンによる軟寒天中でのコロニー形成能の亢進、および抗アポトーシス活性の上昇が観察されたことから、PICT-1の機能損失が腫瘍病変形成の引き金となる細胞形質の変化を誘起する可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] リン脂質ボスファターゼPTENの新しい活性調節機構2006

    • 著者名/発表者名
      前濱 朝彦
    • 雑誌名

      生化学 78

      ページ: 133-137

  • [雑誌論文] Regulation of anaphylactic responses by phosphatidylinositol phosphate kinase type Iα2005

    • 著者名/発表者名
      Sasaki J. 他
    • 雑誌名

      J.Exp.Med. 201

      ページ: 859-870

  • [雑誌論文] The small GTPase ADP-ribosylation factor 6 negatively regulates dendric spine formation2005

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki H. 他
    • 雑誌名

      FEBS Lett. 579

      ページ: 6834-6838

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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