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2005 年度 実績報告書

ヘパラン硫酸糖鎖を介して脳の発達過程を制御する調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16770108
研究機関岐阜大学

研究代表者

矢部 富雄  岐阜大学, 応用生物科学部, 助手 (70356260)

キーワードヘパラン硫酸 / 神経回路形成 / 硫酸転位酵素 / in situ hybridization / real-time RT-PCR / 糖鎖生物学
研究概要

昨年度までに、発達期の脳においてHS糖鎖は時期および部位特異的に構造を変化させ、それにより相互作用する分子を選別するなどして、脳の発達に伴う複雑な神経回路の形成に関与している可能性を示唆する結果が得られた。そこで本年度は、環境応答に伴って細胞表面のHS糖鎖の構造がどのように変化するのかをモデル細胞を用いて調べ、HS糖鎖構造の変化と環境応答との相関関係を検討した。モデル細胞として、神経伝達物質・アドレナリンの添加により濃度依存的に神経成長因子・NGFを分泌することが知られているマウス線維芽細胞(L-M細胞)を用い、アドレナリン添加前後の細胞表面のHS糖鎖構造を調べた。その結果、HS糖鎖合成量の増加が見られたものの、HPLCによるHS糖鎖の2糖単位構成比を分析したところ、構成糖成分比に変化は見られなかった。しかし、硫酸転位酵素群mRNAの発現量をRT-PCR法にて測定したところ、アイソフォーム間で発現量が変化していることが明らかとなった。これは、HS糖鎖中の硫酸化糖の配列が変化するという構造変化を表しているのではないかと考えている。これにより、細胞表面のHS糖鎖構造は、環境の変化に応じて糖鎖の配列を変化させるような微少な変化で、標的タンパク質との相互作用を制御しているのではないかと考察した。この結果をふまえ、神経回路形成において、神経細胞のHS糖鎖構造特異的に相互作用する分子をファージディスプレイ法を用いて同定することを試みた。生後8日齢あるいは生後3週齢のマウス脳由来HS糖鎖をイムノチューブに固相化し、マウス脳由来cDNAを導入したファージディスプレイcDNAライブラリーによるバイオパニングを繰り返した。現在、糖鎖との相互作用を示したファージに提示されたアミノ酸配列から、糖鎖構造特異的相互作用分子の同定を試みている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Developmental and regional expression of heparan sulfate sulfotransferases in the mouse brain2005

    • 著者名/発表者名
      Tomio Yabe
    • 雑誌名

      Glycobiology 15・10

      ページ: 982-993

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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