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2004 年度 実績報告書

修飾塩基ライシジンの生合成とそれを有する大腸菌O157株特異的tRNAの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16770131
研究機関立教大学

研究代表者

相馬 亜希子  立教大学, 理学部, ポストドクトラルフェロー (70350329)

キーワードtRNA / 修飾塩基 / 病原性大腸菌O157株
研究概要

申請者は同定したL合成酵素遺伝子をがtilS (tRNA^<Ile>-lysidine synthetase)と命名し、大腸菌のTilSタンパク質と、tRNA^<Ile>のin vitro転写物を用いたin vitroのL合成反応系を構築した。遺伝子配列の解析から、tilSがバクテリア全般に存在し、NTPのリン酸結合の解裂を司るP-loopモチーフを含むN末端領域は生物種間で相同性が高いことが明らかとなった。P-loopを持つ既知の酵素との比較から、まずATPの加水分解に伴うアデニル酸の付加により、tRNAのアンチコドン1文字目のシトシンが活性化され、次に、この反応中間体をリジンのε-アミノ基が求核攻撃することによりL合成が行われると予想される。本年度、申請者はL合成反応の反応中間体を解析し、上述の予想した反応経路によってLが合成される事を実験的に示した。tRNAとのモデリングの結果から、TilSのC末領域は著しく多様化しており、申請者はこの領域がtRNAのアクセプターステムの認識に関与していると予想した。大腸菌のTilSと種々の変異体tRNAを用いてin vitroのL合成反応を行い、L合成に対するtRNAの様々な変異の影響の解析から、tRNA^<Ilr>のアンチコドン周辺とアクセプターステムが大腸菌TilSによる認識部位を同定した。本研究により、TilSによるL生合成機構及びtRNAの認識機構が解明された。以上の結果について、現在論文を作成中である。
申請者は病原性大腸菌O157株に特異的に存在し、L修飾を受けるtRNAのコドン認識能を測定するための系を構築し、現在、具体的な解析を進めている。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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