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2005 年度 実績報告書

セミインタクト細胞を用いた細胞周期依存的オルガネラダイナミクスの分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16770140
研究機関東京大学

研究代表者

加納 ふみ  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10361594)

キーワードナノバイオ / オルガネラ / 小胞体 / ゴルジ体 / セミインタクト細胞 / 小胞輸送 / 可視化 / 膜融合装置
研究概要

哺乳動物細胞の小胞体ネットワークの細胞周期依存的な形態形成メカニズムを明らかにするため次の手順で研究を進めた。生細胞の小胞体ネットワークをGFP可視化できるCHO細胞株(CHO-HSP)を樹立した。CHO-HSP細胞の小胞体ネットワークはM期において部分的な切断を受けるものの、小胞化せずネットワーク構造を有る程度保持したままで娘細胞に分配されることを見いだした。切断された小胞体チューブは、娘細胞中で速やかに再構築されることも明らかにした。次に、セミインタクトCHO-HSP細胞に間期・M期細胞質を添加することにより細胞周期依存的な小胞体ネットワークの部分的切断と再構築過程を可視化・再構成し、両過程に関わる細胞質因子を同定・解析した。その結果、次のことを明らかにした。(i)M期初期に活性化されるcdc2 kinaseが細胞内膜融合装置の一つp97/p47/VCIP135複合体のp47を特異的にリン酸化することによりこの膜融合装置が失活し、小胞体ネットワークに部分的切断を誘起すること、(ii)M期細胞質で部分的切断を受けた小胞体ネットワークは、連続した2段階の膜融合反応で再構築されること、(iii)先ず、細胞内のもう一つの細胞内膜融合装置であるNSF/SNAP複合体により、切断を受けた小胞体チューブ間をつなぐ微細な膜構造中間体が形成され、続いて、cdc2 kinase活性の低下によって活性を復活させたp97/p47/VCIP135複合体が完全なネットワーク構造を完成させること、などである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] NSF/SNAPs and p97/p47/VCIP135 are sequentially required for cell cycle-dependent reformation of nthe ER network2005

    • 著者名/発表者名
      Kano, F.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 10

      ページ: 989-999

  • [雑誌論文] The maintenance of the ER network is regulated by p47, a cofactor of p97, through phosphorylation by cdc2 kinase2005

    • 著者名/発表者名
      Kano, F.
    • 雑誌名

      Genes to Cells 10

      ページ: 333-344

  • [雑誌論文] セミインタクト細胞を用いた細胞内イベントの可視化解析2005

    • 著者名/発表者名
      山内忍
    • 雑誌名

      生物物理 45

      ページ: 153-156

  • [雑誌論文] セミインタクト細胞アッセイ2005

    • 著者名/発表者名
      村田昌之
    • 雑誌名

      リポソーム応用の新展開 人工細胞の開発に向けて(秋吉一成/辻井薫監修)(NTS出版)

      ページ: 312-318

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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