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2004 年度 実績報告書

イノシトールリン脂質を介した成長円錐膜ダイナミズムの時間的・空間的解析

研究課題

研究課題/領域番号 16770158
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

山崎 正和  独立行政法人理化学研究所, 平林研究ユニット, 基礎科学特別研究員 (40373378)

キーワード成長円錐 / 反発因子 / イノシトールリン脂質 / 後根神経節 / PI(4,5)P2
研究概要

神経成長円錐の誘引応答・反発応答は神経回路網形成過程において決定的な役割を果たしている。精巧な神経回路網が形成されるためには、神経細胞の軸索先端に位置する成長円錐が周囲の誘引因子・反発因子を感知し、軸索を誘引因子方向または軸索を反発因子から遠ざける方向へとガイドする必要がある。誘因・反発因子による成長円錐のダイナミックな運動および形態変化には、成長円錐内におけるアクチン細胞骨格の再編成が重要であると考えられているが、これらの応答はアクチン細胞骨格の再構築だけでは説明できない。例えば、成長円錐全体に反発因子が作用すると、扇型をしていた成長円錐は退縮し、細い線状の構造体に変化する。この際、成長円錐表面積は急速に減少しており、液胞様構造として観察される膜の取り込みが起きていることが示唆されている。しかしながら、その分子メカニズムはほとんど明らかになっていない。本研究では「イノシトールリン脂質(以下PIs)」という新たな視点で、PIs局在の「時間的・空間的」解析から、軸索ガイダンスにおける成長円錐膜ダイナミズムの分子メカニズムを解明することを目的としている。PIsの一つであるホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸[PI(4,5)P2]を可視化できるプローブ分子(EGFP-PLCδ-PH)を導入した後根神経節(DRG)神経細胞を用いて、成長円錐におけるPI(4,5)P2の局在を経時的に解析した。ラミニン基質上におけるデフォルトの軸索伸長の際、PI(4,5)P2プローブは成長円錐において特異的な局在を示さなかったが、興味深いことに反発因子Semaphorin3A(Sema3A)刺激による反発応答(成長円錐退縮)の際、PI(4,5)P2プローブが刺激依存的に観察される液胞様構造に局在することが明らかになった。現在、この液胞様構造の形成におけるPI(4,5)P2の関与を解析中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Phospholipase D2 functions as a downstream signaling molecule of MAP kinase pathway in L1-stimulated neurite outgrowth of cerebellar granule neurons2004

    • 著者名/発表者名
      Watanabe H. et al.
    • 雑誌名

      Journal of Neurochemistry 89

      ページ: 142-151

  • [雑誌論文] Essential Role for Phospholipase D2 Activation Downstream of ERK MAP kinase in Nerve Growth Factor-stimulated Neurite Outgrowth from PC12 Cells2004

    • 著者名/発表者名
      Watanabe H. et al.
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 279

      ページ: 37870-37877

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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