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2004 年度 実績報告書

PU.1とDNMT3sによる血液細胞の分化関連遺伝子の転写制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 16770171
研究機関東京理科大学

研究代表者

鈴木 光浩  東京理科大学, 生命工学技術部門, 助手 (00321662)

キーワードPU.1 / DNMT3s / DNAメチル化 / エピジェネティック / 転写抑制
研究概要

転写因子PU.1を含む転写調節複合体は多くのメンバーからなっており、その複合体の形成因子の相違が転写調節を正または負に制御していることが我々のこれまでの研究のみならず、国内・外の他の研究者によっても明らかとなってきた。本研究では、まずPU.1との相互作用する可能性が認められたDnmt3aおよびDnmt3b(以下、Dnmt3s)のPU.1への結合様式を確認した。GST-pulldown法によりPU.1のDnmt3sへの結合はEtsドメインを介して、またDnmt3sのPU.1との結合は中央部のPWWPドメインを介してそれぞれ相互に結合していることを明らかにした。さらにDnmt3sとPU.1の相互作用は、mSin3A-HDAC1複合体中で形成しており、両者の結合が転写抑制に寄与していることが示唆された。
そこでPU.1依存的に転写活性が昂進するレポータープラスミドpTK100-PUx3-LucとDnmt3sをPU.1と共にHeLa細胞に導入しLucアッセイ法によりDnmt3SのPU.1依存性転写活性に与える影響を確認した。その結果、PU.1はDnmt3sと共存在下で著しい転写抑制能を示すことが明らかとなった。Dnmt3sはゲノム上のCpG配列を新規にメチル化する酵素として単離されたものである。PU.1とDnmt3sの共存在下での転写抑制はPU.1が結合するプロモーター領域近傍のCpG配列をメチル化し、その結果クロマチンの構造的な変化により起こるエピジェネティックな機構により働いているものと推測された。事実、メチル化阻害剤である5AZAdCを添加することで上述のLucアッセイで見られた転写抑制が解除された。クロマチン免疫沈降法によりDnmt3sはPU.1の有するDNA結合配列へPU.1共存在下で結合していることを明らかにした。さらにpTK100-PUx3-LucとPU.1,Dnmt3発現ベクターをHeLa細胞に導入するとPU.1,Dnmt3s共存在下においてPU.1結合配列下流に付加されたThimidin kinaseプロモーター中のCpG配列は高メチル化状態となっていた。これらのin vitroでの実験結果よりPU.1とDnmt3Sとの相互作用はCpG配列をメチル化することで転写を抑制していることが明らかとなった。現在更に、PU.1標的遺伝子における転写抑制制御へのDnmt3sの関与を検討中である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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