研究概要 |
16年度の研究計画は、「体表面積の計測」と「温冷感覚の感度の測定」である。「体表面積の計測」に関しては、以前に青年男子と青年女子を対象として計測を行い各部の体表面積を算出しているが、定量的な各部位の体表面積を把握する必要があると考え、体表面積の計測を計画した。しかし、青年男子と青年女子を対象とした各部位の体表面積に関する研究が発表されたこと、体表面積を計測した被験者を継続的に「温冷感覚の感度の測定」の被験者とすることができないことから、「温冷感覚の感度の測定」を中心に研究を行った。 今年度の「温冷感覚の感度の測定」としては、局所加熱冷却装置を製作することである。そのため製作に先立って、既存の「熱流束方式温冷感閾値計」を借用し、製作する装置のスペックを思案するために、予備実験を行った。青年男子と女子を被験者として用いて各部位の温冷感閾値を計測した。その結果を、日本人間工学会東海支部2004年研究大会にて「人体各部位における温冷感閾値に関する研究-夏季における青年男女被験者の場合-」と題して発表した。 本研究においての加熱冷却装置は、熱伝導ではなく熱放射により熱刺激を与えることを計画していた。しかし、熱放射による装置の場合は、装置の表面温度が80℃以上にならないと刺激を感じることがないことが実験により明らかとなったため、急遽、熱伝導による方式に変更し、装置の製作を行った。 予備実験を受けて、定電圧装置を2台用いて、接触面温度を33℃に制御した状態から、0.1℃/sec、0,2℃/sec、0.3℃/sec、0.4℃/secの温度変化で、加熱または冷却する装置を製作した。計測項目としては、接触部温度と接触部熱流束であり、100msecでデータ収集することができるように、本補助金で購入したデータロガに接続した。 製作した装置を用いて、次年度の春に実験が行えるように、研究計画を作成している。
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