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2006 年度 実績報告書

耕地環境におけるイネの雑草化機構の生態遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 16780010
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

牛木 純  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・雑草バイオタイプ・総合防除研究チーム, 主任研究員 (40307682)

キーワード雑草イネ / Oryza sativa / 休眠性 / 越冬性 / 脱粒性 / qSH1 / sh4 / 分子マーカー
研究概要

1.長野県に発生する雑草イネは、出穂後約2週間目から自然脱粒を開始し、脱粒した籾は帯緑籾であっても80%以上の高い発芽能力を有していた。また、脱粒した籾の約0.1%は休眠性(翌春に好適な条件下においても発芽しない能力)を有していた。長野県(須坂市)の圃場において、脱粒した籾の越冬能力を調査した結果、地表面においては15±13%、土壌中では43±33%の籾が翌春まで生存していた。特に、近年(2002年)採取された雑草イネの多くは1970年代に採取された雑草イネよりも越冬能力が高かった。休眠性(出穂後100日目の発芽率で評価)が強いほど、越冬能力が高くなる傾向にあったが、出芽開始時期、出芽最盛期、出芽継続期間等と休眠性との間には一定の関係が見られなかった。以上の結果から、雑草イネの手取りによる防除適期は出穂後2週間以内であり、籾が脱粒した場合には、秋起することなく地表面で越冬させることにより埋土種子化を抑制できることが示唆された。また、近年発生している雑草イネは越冬能力においても難防除化しており、このことが発生拡大の一因となっていることが示唆された。
2.岡山県に発生する雑草イネは、特定の栽培品種と生理形態的・遺伝的に極めて類似しているが、収穫期前にほとんどの籾が自然脱粒する特徴を持つことから、イネの脱粒性に関わる遺伝子がqSH1(Konishi et al.2006)およびsh4(Li et al.2006)について雑草イネと栽培品種との比較解析を行った。その結果、雑草イネとそれらに対応する栽培品種(朝日、アケボノ、雄町)は全てqSH1機能型、sh4非機能型であり、雑草イネと栽培品種の間に差異は見られなかった。以上の結果から、雑草イネの自然脱粒性はqSH1、sh4以外の遺伝領域によって制御されていることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 長野県に発生する雑草性赤米の休眠性と越冬性の関係2007

    • 著者名/発表者名
      牛木純, 細井 淳, 赤坂舞子, 手塚光明
    • 雑誌名

      雑草研究 52・別

      ページ: 196-197

  • [雑誌論文] 国内で発生する雑草イネの自然脱粒様式への脱粒性遺伝子qSHIおよびsh4の関与について2007

    • 著者名/発表者名
      赤坂舞子, 牛木純
    • 雑誌名

      育種学研究 9・別

      ページ: 282

  • [雑誌論文] 国内に発生する雑草イネの休眠性および発芽様式の特徴2006

    • 著者名/発表者名
      牛木純, 赤坂舞子, 手塚光明, 石井俊雄
    • 雑誌名

      雑草研究 51・別

      ページ: 154-155

  • [雑誌論文] 長野県で発生した雑草イネ(トウコン)の脱粒特性について2006

    • 著者名/発表者名
      細井淳, 牛木純
    • 雑誌名

      北陸作物学会報 42・別

      ページ: 19

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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