本研究は、自然公園における公園計画に、景観プランニングの手法を応用することを試みるものであり、研究の初年度である今年度には、以下の研究を行った。 1 公園のほとんどが公有地である大雪山国立公園と、公園内に私有地を含み大都市圏に近い支笏洞爺国立公園を対象にして、環境省自然保護局西北海道地区自然保護事務所および関連行政機関より、公園計画、森林計画に関する地図および計画書を入手し、イメージスキャナでデジタル化するとともに、GISアプリケーションで公園計画の地種区分や利用施設計画を図化した。 2 収集した文書をもとにそれぞれの公園の地種区分の変遷および利用施設について経年的なデーターベースを作成した。公園として指定後、数回の公園計画の変更および道路整備等によるアクセスの変化がおきていた。 3 生態的・文化的資源について、未収集の資料もあるが、環境省の自然環境資源基礎調査、国土数値情報などのデーターを入手し、同時にデジタル化し、先の公園計画図とのオーバーレイを行った。現行の公園計画が、景観資源や地理的要因の何により規定されているかなどの分析を行った。 4 大雪山国立公園、支笏洞爺国立公園の2公園に加え、利尻礼文サロベツ国立公園でも、利用者および関係機関を対象にした聞き取り調査を行い、当該公園の魅力、保護の対象とすべきと考えられている資源などのリストアップを行った。以上の結果をもとに、次年度以降さらに詳細な分析を行う予定である。
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