研究概要 |
本年度はまず,ニューヨーク州ニューヨーク市においてコミュニティ・ガーデン関係7団体にヒアリングを実施し,現状の把握と整理を行った。コミュニティ・ガーデンが成立するにいたったや歴史的背景や経緯を詳細に理解すると共に,その保全方策について行政施策および近隣コミュニティによるものを抽出し,規範的緑地計画が成立する基盤を整理した。結果,コミュニティ・ガーデンのような近隣コミュニティによって成立するオープンスペースをまず保全するためには,公正な開発(存在)影響評価に耐えうる存在価値の確立と,それを公的なものとして位置づける保有形態が重要であることがわかった。ここから,近隣コミュニティが成立させるオープンスペースによって規範的緑地計画を構成するためには,多様な社会的意義を持つオープンスペースとしての日常からの活用が根幹をなすと言える。 次に,社会的な意義を持つオープンスペースとしてコミュニティ・ガーデンを成立させているマネジメントについて,ニューヨーク市のコミュニティ・ガーデンのガイドラインを入手し,内容を解析した。その結果,米国の様な契約社会においても,柔らかいルールとも言える「規範」をベースとしたマネジメント手法が多用されていることがわかった。このことから,当初の仮説どおり,コミュニティ・ガーデンは規範的緑地計画を成立させるオープンスペースであると判断できる。 これら16年度の結果をふまえ,各種団体やゴミュニティ・ガーデン参加住民へのアンケート調査などの準備を進めている。
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