研究課題
高齢化社会を迎えて消費者の健康志向が高まる中で、機能性成分を多く含む青果物の供給に対する要求は非常に高まっている。トマトは、リコペンやβ-カロテンなどのカロテノイド類を多く含み、その抗酸化作用等の機能性が注目されている。これらカロテノイド類は、トマト果実の成熟に伴って生合成・蓄積されるが、その分子機構に関しては不明な部分が多い。ジャスモン酸等のオクタデカノイド類は、新しい植物ホルモンとして、植物の病害抵抗性や、老化、成熟に深く関わっていると考えられる。トマト果実へのジャスモン酸処理が、β-カロテン蓄積を誘導するという興味深い現象に対して、申請者は、カロテノイド合成系遺伝子群の発現レベルについて、ジャスモン酸に応答した変化を明らかにするなど、分子レベルでの研究を行ってきた。本研究では、これをさらに発展させ、オクタデカノイド類によるカロテノイド蓄積誘導のシグナル伝達機構の解明を目指す。本研究の成果を応用することによって、トマト果実のリコペンやβ-カロテンなど機能性成分の蓄積量の増大が可能であると考える。普通品種および成熟変異体トマトの様々な成熟ステージの果実から果肉ディスクを作製し、エテフォンもしくはジャスモン酸メチルエステル溶液で処理を行った。各サンプルから調製したRNAをcDNAに逆転写時に33Pで標識し、12284クローンが搭載されたトマトDNAマクロアレイとハイブリダイズさせた。得られた結果をSOM解析したところ、LeACS4遺伝子と発現パターンが類似するグループに分類される43クローンのうち、LeACS4遺伝子と同様に果実成熟に伴い発現が上昇する13クローンを明らかにした。そのうち8クローンについては配列情報から機能を推定することが出来なかったまた、得られた結果を国際ナス科ゲノムシンポジウムで発表した。
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Book of abstract, International Symposium on Tomato Genome Research in Tsukuba
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ISHS Acta Horticulturae 682
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