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2006 年度 実績報告書

シロアリ類のヘミセルロース消化機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16780037
研究機関琉球大学

研究代表者

徳田 岳  琉球大学, 遺伝子実験センター, 助手 (90322750)

キーワードセルラーゼ / ヘミセルロース / キシラン / シロアリ / セルロース分解
研究概要

前年度の結果を踏まえ、今年度は沖縄島に棲息するイエシロアリを中心に用いて、主要なヘミセルロース分解酵素のひとつであるキシラナーゼの完全な精製と遺伝子配列の解析を試みた。前年までの未変性キシラナーゼの電気泳動結果から分子量は比較的大きいと考えられていたが、さらに新たなイオン交換クロマトとゲルろ過を行ったところ3つのピークを最終的に得ることができた。これらについて完全に変性してSDS電気泳動を行ったところ、それぞれ単一のバンドが得られ、イエシロアリの後腸内には約20〜25kDaの3種のキシラナーゼが存在することが明らかとなった。また、新たにオオシロアリでキシラナーゼ活性を測定し、さらに精製についてはムカシシロアリとヤマトシロアリについても検討した。
イエシロアリから得られたキシラナーゼついてN末端アミノ酸配列分析を行い、それぞれ20残基のアミノ酸配列を決定することができた。さらにこの配列を基にして、イエシロアリキシラナーゼに対する縮合プライマーを設計した。イエシロアリ後腸よりmRNAを抽出し、逆転写によってcDNAを作製した。このDNAをテンプレートとしてRACE法によるキシラナーゼ遺伝子全長の増幅を行った。得られたPCR産物のシーケンスを決定したところ、これらのキシラナーゼが糖類加水分解酵素ファミリー11に属する酵素であることが明らかとなった。また、これらの遺伝子は後腸内のみで発現しており、共生原生生物由来の酵素であることが強く示唆された。
このことから、イエシロアリでは後腸内に生息する共生原生生物が複数の酵素を分泌し、ヘミセルロース分解の主要な役割を果たしていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Hidden cellulases in termites : revision of an old hypothesis2007

    • 著者名/発表者名
      Tokuda, G.
    • 雑誌名

      Biology Letters 3(印刷中)

  • [雑誌論文] "Archaezoa" of the primitive termite Mastotermes darwiniensis still play a role in cellulase production.2006

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, H.
    • 雑誌名

      Eukaryotic Cell 5

      ページ: 1571-1576

  • [図書] 「昆虫の食を支える微生物」 美ら島の自然史-サンゴ礁島喚系の生物多様性(琉球大学21世紀COE編集委員会(編))2006

    • 著者名/発表者名
      徳田 岳
    • 総ページ数
      20(191-210)
    • 出版者
      東海大学出版会

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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