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2004 年度 実績報告書

昆虫免疫における表皮組織の役割

研究課題

研究課題/領域番号 16780038
研究機関東京都立大学

研究代表者

朝野 維起  東京都立大学, 理学研究科生物科学専攻, 助手 (40347266)

キーワード昆虫 / 免疫 / クチクラ
研究概要

昆虫の表皮はクチクラとそれを裏打ちする一層の表皮細胞によって構成される。表皮は体内と体外を隔て恒常性維持に機能する他、外骨格として形態維持に重要な役割を担っている。近年、昆虫表皮における免疫反応に関する研究がカイコやショウジョウバエを用いて行われている。カイコのクチクラマトリクス内には、フェノール酸化酵素前駆体カスケードの構成因子であるフェノール酸化酵素前駆体およびその活性化酵素、ペプチドグリカン認識タンパク質、抗菌ペプチドなど、昆虫の生体防御に重要な働きをしている因子が存在している。またショウジョウバエを用いた解析でも、様々な抗菌ペプチド類の表皮細胞における発現が観察されている。本研究は、カイコ幼虫のクチクラ内に新たな免疫因子を同定することを目的としている。表皮に傷を付けたカイコと未処理のカイコから得たクチクラタンパク質を電気泳動で展開し、その泳動パターンを比較した。その結果、翅原基で発現している遺伝子として同定されていたCB10の翻訳産物が、傷を受けたカイコのクチクラに新に出現することが明らかになった。CB10の発現パターンをノーザンブロット法で詳細に解析した結果、この遺伝子は外胚葉性の上皮特異的な発現が観察された他、傷だけではなくバクテリアの壁成分に対しても発現量の上昇が見られた。また、特異抗体を作成しイムノブロット法によって局在を調べたところ、ノーザン解析と同様な結果が得られた。遺伝子の塩基配列から予想されるアミノ酸配列を詳細に解析した結果、このタンパク質は12アミノ酸からなる機能未知の新規モチーフが60〜70アミノ酸を隔ててタンデムに配置されるという特徴をもつことが明らかになった。同様なモチーフを有するタンパク質をコードする遺伝子は、ショウジョウバエやハマダラカのゲノム中に存在しており、現在ショウジョウバエのホモログについて解析中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The homeodomain protein PBX participates in JH-related suppressive regulation on the expression of major plasma protein genes in the silkworm, Bombyx mori.2004

    • 著者名/発表者名
      Ogawa N, Kishimoto A, Asano T, Izumi S.
    • 雑誌名

      insect Biochemistry and Molecular Biology 34(10)

      ページ: 217-29

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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