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2004 年度 実績報告書

トマトの果実発達における維管束機能の特性と糖代謝・糖蓄積制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16780044
研究機関筑波大学

研究代表者

松倉 千昭  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (60361309)

キーワード維管束 / 遺伝子発現 / レーザーマイクロダイセクション(LMD) / トマト / 果実発達 / 糖蓄積 / 糖代謝 / マクロアレイ
研究概要

1.レーザーマイクロダイセクション(LMD)法によるトマト果実維管束摘出実験系の確立
植物組織を対象としたLMDによる組織単離は研究例が極めて僅少であり、果実における報告はない。そこで、まず1)試料調製 2)LMD 3)RNA抽出 4)マクロアレイ解析の各項目について条件検討を行い、実験プロトコールの確立を行った。その結果、1)、2)については、エタノール:酢酸固定のパラフィン切片を用い、切除前に染色を行うことで安定した組織単離が可能となった。3)については既存抽出法を行いRT-PCRによって増幅可能な品質のmRNAが抽出されていることを確認した。しかし、4)については、現在安定した発現シグナルを得るに至っておらず、引き続き条件検討が必要である。これはmRNA増幅時の鋳型cDNAの短鎖化が原因であると考えられることから、今後、ランダムプライマーを用いない増幅方法を検討する予定である。
2.トマトの果実発達過程における糖転流・蓄積の動態解析
トマト果実を発達過程に応じて4つのステージ(未熟期、緑熟期、着色期、赤熟期)分けて各々サンプリングし1)トレーサーを用いた転流量 2)維管束の形態 3)糖・デンプン蓄積量について解析を行った。その結果、1)果実への炭素の転流活性は未熟期が最も高く蓄積は概ね緑熟期までに完了している 2)維管束は緑熟期以降、篩部組織が崩壊し導管のみが維持される 3)デンプン蓄積量は未熟期〜緑熟期に最高となりその後減少する 4)糖蓄積に関しても概ね1)に合致した動態を示すという結果を得た。このことから、トマト果実における維管束を介した炭素転流は緑熟期に至るまでに概ね完了しており、以後の糖化は蓄積した炭水化物の代謝によるものであることが確認された。以上の結果を受け、今後、果実維管束の遺伝子発現解析については未熟期果実を用いる予定である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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