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2005 年度 実績報告書

土壌消毒処理による微生物群集への影響評価と経時観察

研究課題

研究課題/領域番号 16780047
研究機関高知大学

研究代表者

田中 壮太  高知大学, 大学院・黒潮圏海洋科学研究科, 助手 (10304669)

キーワード蒸気消毒 / 臭化メチル剤 / クロルピクリン剤 / 土壌微生物群集 / リン脂質脂肪酸
研究概要

本研究では,各種土壌消毒方法の違いが,土壌中の窒素の形態と微生物群集へ及ぼす影響を明らかにすることを目的に,ポット試験を行った.臭化メチル剤(MB)とクロルピクリン剤消毒(CP),蒸気消毒(SS)を施した土壌を,それぞれPVCポット(28cm長,11cm径)に詰め,消毒6日後にメロンを定植した.土壌試料を経時的に採取し,無機態N量,微生物バイオマスN(MBN)及び,微生物群集への影響(Biolog法,PLFA法)について評価した.消毒処理によりCP区とSS区では,MBNは減少し,NH_4-N量は増加した.両区におけるMBNの減少量は,NH_4-Nの増加量とほぼ一致した.一方,MB区では,NH_4-N量はCP, SS区と同程度まで増加したが,MBNの減少は小さかった.Biolog法によるAWCD値は,消毒によりCP区>MB区>SS区の順となったが,消毒19日目には対照区とほぼ同程度にまで回復した.全PLFA量は,いずれの処理区でも消毒により減少した.MB区では,多価不飽和脂肪酸(主に18:2ω6c)の減少が顕著であり,糸状菌が強く影響を受けていると推察された.CP, SS処理のPLFAへの影響は,MB処理に比べ非特異的であり,どのPLFAも一様に減少した.消毒19日目には,NB区のPLFA量は対照区と同程度にまで増加したが,CP区とSS区では低かった.以上の結果から,SS, CP処理は,土壌微生物群集への影響が大きく,特にSS処理では影響が長期間残ることが明らかとなった.また,増加したNH_4-Nの主要な給源は死菌体であると推察された.一方,MB処理でも,微生物群集は,強く影響を受けるが,SSやCP処理に比べ,速やかに回復すると考えられた.MBNの減少量とNH_4-Nの増加量が一致しなかったのは,微生物群集の速やかな回復が一因であると推察された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Mechanism of increased plant uptake of Mn caused by steam sterilization of the soil2005

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki, K., Maeda, K., Kobayashi, T., Yamane, S., Tanaka, S., Sakurai, K.
    • 雑誌名

      Plant Nutrition for Food Security, Human Health and Environmental Protection

      ページ: 706-707

  • [雑誌論文] 蒸気消毒後の堆肥施用が土壌中の窒素及びマンガンの動態に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      田中壮太, 岩崎貢三, 前田和寛, 小林崇剛, 山本岳彦, 山根信三, 櫻井克年
    • 雑誌名

      日本土壌肥料学雑誌 (投稿中)

  • [雑誌論文] 隔離床メロンハウスで蒸気消毒後に発生したマンガン過剰について

    • 著者名/発表者名
      辻 美希, 森 仁, 山本岳彦, 田中壮太, 康 峪梅, 櫻井克年, 岩崎貢三
    • 雑誌名

      日本土壌肥料学雑誌 (投稿中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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