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Bacillus cereus DF4-B株由来のD-立体特異的ペプチダーゼ(アルカリD-ペプチダーゼ)はフェニルアラニンのオリゴペプチドをD-立体特異的に加水分解するエンドペプチダーゼであり、その一次構造は細菌由来のβ-ラクタマーゼやD-立体特異的アミノペプチダーゼと相同性を有するユニークな酵素である。本研究ではラセミ体アミノ酸アミドの光学分割やD-アミノ酸含有ペプチドの合成にしか利用されてこなかったD-立体特異的ペプチダーゼの新規利用法を開拓するため、Substrate mimeticsとよばれる擬似基質を用いたペプチド合成への本酵素の応用可能性を検討することを目的とした。前年度に引き続き、アルカリD-ペプチダーゼ及び、アルカリD-ペプチダーゼ相同タンパク質によるペプチド合成を検討した。ペプチド合成の収率や応用範囲に関してより優れた酵素を得るため、上記2種の酵素遺伝子にerror-prone PCR等の遺伝子操作によりランダム変異を導入し、ペプチド合成にかなう性質をもった変異酵素の取得を試みた。変異酵素を組換え大腸菌より精製し、酵素化学的な諸性質を明らかにして、野生型酵素と比較した。さらに、変異遺伝子の塩基配列を決定して、変異部位を同定し、その部位に対してその他のアミノ酸にランダムに変異を導入する、いわゆるサチュレーション変異を行い、酵素の性質がさらに向上した変異酵素の取得を試み、ペプチド合成への応用を検討した。
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