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2004 年度 実績報告書

三宅島2000年噴火後の森林生態系の回復メカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16780110
研究機関筑波大学

研究代表者

上條 隆志  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (10301079)

キーワード火山 / 生態系 / 植生 / 三宅島 / バイオマス / 退行遷移 / 二酸化硫黄 / 火山灰
研究概要

本研究は三宅島2000年噴火後の森林生態系の種構成、多様性、機能に関する回復メカニズムを明らかにすることを目的とした。本年度については、以下の調査を実施した。
1.固定調査区をあらたに島内に12箇所設置し、植生調査、毎木調査、およびバイオマスに関する調査を行った。
2.2000年ないし2001年に設置した既存の18の調査区において、植生調査、毎木調査を行った。
3.火山灰を採取し、理化学性の分析を行った。
4.シードトラップを設置し、種子供給について調査を行った。
5.固定調査区のうちの、火山灰除去試験区において、土壌をサンプリングし、埋土種子に関する発芽試験を筑波大学で行った。
以上の調査解析結果から、現在三宅島では、火口から放出される二酸化硫黄によって、森林の樹木については、むしろ被害が拡大していることが明らかとなった。全体としてみてみると、多年生草本が増加傾向にあり、森林から遡源への退行遷移過程にあるといえる。
樹種間で被害を比較すると樹種間で死亡率が大きく異なった。死亡率が高い、すなわち火山ガス耐性の低い樹種としては、オオバエゴノキとスダジイが挙げられ、死亡率が低い、すなわち火山ガス耐性の高い樹種としては、ヒサカキとヤブツバキが挙げられた。草本植物については、ハチジョウススキ、オオシマカンスゲ、ユノミネシダなどの増加が顕著であり、噴火後のバイオマス回復を担っている。
種子散布ならびに毎土種子調査の結果からは、ハチジョウススキの種子が、噴火被害裸地に散布されていること、その一方で、毎土種子バンクには本種が含まれていないことがわかった。毎土種子バンクとして豊富だったのはカジイチゴやヤナギイチゴなどであった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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