2次元クロロフィル蛍光装置を用いて、針葉樹を中心に抗酸化物質、電子伝達、色素定量を行い、両者の関係について調べた。また、大量のサンプルを処理するためにhigh-through put HPLC法を低背圧のモノリスカラムを用いて分離時間を短縮させ、post Pt-reduction HPLC法により特異的・高感度にキノン類の検出条件の構築を行った。クロロフィル蛍光と葉内色素の関係として、現在まで提案されていたxanthophyll cycleを見かけ上、その能力を高めるために他の色素と共調的にタンパク質上で置換反応を行うことが、樹木に対して特異的に行われていることがわかった。そして、実際、過剰エネルギー散逸過程に有効であることがエネルギー電子伝達効率などの測定から示された。 葉内代謝でエネルギー磯に関する物質として重要なキノン類の一斉分析を行うための装置としてHTP post Pt reduction HPLC法を構築した。この方法により従来の分析では定量性が著しく低く・かつ時間がかかっていたが、定量性の格段な向上と分析時間の80%以上の短縮に成功し、現在、この方法を用いてクロロフィル蛍光・ストレス耐性・プロファイリングに適用可能化について検討を行っている。予備実験ではあるが、その有用性は十分に得られている。
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