• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

海亀類の混獲問題に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16780137
研究機関東京海洋大学

研究代表者

塩出 大輔  東京海洋大学, 海洋科学部, 助手 (40361810)

キーワード海亀 / 混獲 / 中立ブイ / ふかれ / まぐろ延縄
研究概要

まぐろ延縄漁業による海亀類の混獲回避を目的として開発した中立ブイ装着漁具の模型実験を行い,一様流中における漁具のふかれを求めた。模型漁具は3鉢(一鉢あたりの幹縄長240cm,浮縄長30cm,枝縄長40cm,枝縄5本付け)で,中央の一鉢を計測対象とした。設定流速0,5,10,15cm/s,流れに対する設定角度0,10,20°の条件下での漁具各部の3次元位置を目視により計測した結果,模型漁具は10cm/s程度の流れにおいても幹縄と枝縄が下流側に大きくふかれ,また流速および流れに対する設置角度が大きいほど,ふかれが顕著となった。
次いて,中立ブイ・システムの実用化を目的として,小規模の延縄漁具を実際の海上で用いた実験により漁具の3次元敷設形状を計測し,実験海域の流れと漁具のふかれとの関係を求めた。千葉県館山湾において,延縄漁具5鉢(1鉢あたりの幹縄長180m,枝縄長20m,浮縄長10m,枝縄5本付け)を用いて実験を行った。実験では,各鉢の幹縄2ヶ所に等間隔で浮力780gwの中立ブイを装着し,計測対象とした中央一鉢の幹縄と枝縄の結着点および釣針の水深を1秒間隔で超小型メモリ式水深計を用いて計測した。さらに,中央枝縄の釣針と幹縄の6ヶ所に超音波ピンガを取り付け,ハイドロフォン内蔵ブイ(VRAP)により受信して敷設時間中の各部の3次元位置を連続的に計測した。また,実験海域において水深10mから50mまで5mごとの各層の流向,流速をADCPにより観測した。実験の結果,釣針の敷設水深は28.2〜34.4mとなり,漁具の構成と短縮率からカテナリー形状を仮定して理論式より求めた値よりも最大で23.5m浅く敷設されていた。実験海域の平均流速(流向の方位角)は,幹縄の敷設された水深約15m層では15.2cm/s(31.3°,東北東)であり,釣針のある水深約35m層では27.3cm/s(256°,西南西)であった。その間,漁具全体が東北東に8cm/sの速さで流され,幹縄は北北東に,また枝縄は幹縄と逆向きの南西方向にふかれていた。幹縄のふかれは主に表層付近の流れに,また枝縄のふかれは漁具の相対移動速度と,その水深付近の流れに影響されると考えられた。
以上の結果から,中立ブイを装着して海亀類の混獲回避とマグロ類の効率的な漁獲を実現するためには,こうした流れによるふかれを考慮した上で,適切な幹縄の短縮率と中立ブイ浮力を求める必要があることが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Mid-water float system on tuna longlines to reduce sea turtle by-catch2006

    • 著者名/発表者名
      Shiode D, Hu F, Shiga M, Yokota K, Tokai T
    • 雑誌名

      Proceedings of the international tuna fishers conference on responsible fisheries and third international fisheries Forum

      ページ: 91-92

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi