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2005 年度 実績報告書

魚肉の死後軟化はストレス応答反応により誘発されるか?

研究課題

研究課題/領域番号 16780148
研究機関高知大学

研究代表者

久保田 賢  高知大学, 大学院・黒潮圏海洋科学研究科, 助教授 (00314980)

キーワードMMP / TIMP / 死後変化 / 魚肉 / ストレス / 低酸素 / 低栄養 / 遺伝子発現変動
研究概要

本研究では,冷蔵中の魚肉におけるストレス応答性遺伝子と軟化関連遺伝子およびタンパク質の発現変動解析について検討した。特に1年目に冷蔵中のヒラメ筋肉での遺伝子発現変動が観察されたTIMP-2aおよびTIMP-2bに注目して,タンパク質レベルでの発現変動の検討を試みた。昆虫細胞系を用いた両TIMP-2の組み換えタンパク質に対して,それぞれを特異的に認識する抗血清を得ることができたが,ヒラメ筋肉抽出液を添加したウェスタンブロット分析を行った結果,目的のシグナルを観察することができなかった。TIMP-2aとTIMP-2bのアミノ酸配列は68%の相同性を持つほど高い類似性を有している。わずかに配列の異なる21-25アミノ酸程度の部位をグルタチオン-S-トランスフェラーゼとの融合タンパク質として作成し,抗血清の精製と濃縮を試みた。また,筋肉抽出液中のTIMP-2をReactive Red樹脂を用いたアフィニティークロマトグラフィーで吸着,濃縮したが,両TIMP-2タンパク質のバンドを検出することはできなかった。一方,低酸素誘導性因子であるHIFおよび低栄養誘導性因子であるRaptorといったストレス応答性遺伝子については顕著な発現変動は観察されなかった。以上のことから,死後冷蔵中には,少なくとも低酸素や低栄養応答性因子の劇的な発現変動は生じないこと,またそれらのシグナルが軟化関連遺伝子の発現変動へ直接影響している可能性が低いこと,さらに軟化関連遺伝子産物の発現量は極めて低レベルであることが明らかとなった。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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