1.平成16年度における研究の進捗状況 当該年度では、(1)統計(『農(林)業センサス』『農業経営統計調査報告』など)を用いた農業構造の動態に関する分析、(2)統計(主として『工業統計表』)を用いた工業地域の展開構造に関する分析、(3)秋田県八竜町における実態調査を実施した。 当初の計画では、もう一つの調査地である長野県上伊那地域のアンケート調査を実施する予定であったが、研究開始年次と代表者の移籍が重なり研究環境が変化したため、新任地での研究環境の整備等に手間取り、当初の予定通り研究を進められなかったが、後半に入り、ようやく本格的な研究に着手することが可能となり、上述のような作業を行うことができた。 2.平成16年度の成果 1年目の成果としては、戦後日本資本主義の展開と農家労働力の移動に関する問題を秋田県における事例を中心に「出稼ぎ問題」に関する論文を取りまとめたほか(『戦後日本の食料・農業・農村 第11巻-農村社会史-』として農林統計協会より2005年中刊行予定)、農業・農協問題研究所の研究会において、研究成果の一部を利用して「『食料・農業・農村基本計画』の見直しと日本農業の担い手問題」と題して発表した(2005年4月2日、於:新宿・家庭クラブ会館会議室)。 3.残された課題 当該年度に実施した統計分析については、成果を公表するところまで達していないことから、平成17年度の前半では、まずこれらの取りまとめを行う。そのうえで、平成16年度に実施した秋田県八竜町における実態調査結果の取りまとめ・補足調査を行うと同時に、長野県上伊那地域における実態調査を実施する。
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