研究概要 |
東京,京都,栃木,鳥取,宮崎と日本各地の水田土壌と,市販の園芸用土壌である荒木田土について,土壌硬度の測定および,超音波による測定を行った.それぞれのサンプルを水飽和させ,代掻き後の状態を作製した.土壌硬度の測定には,市販の水田土壌硬度測定器,および応力測定器を用いた.応力測定器による計測は,円筒形のプランジャーを土壌に貫入させたときの変位と応力を測定した.超音波による測定は,共振周波数500KHzの超音波トランスデューサを対向させた状態で土壌中に沈め,250Vのスパイク波を用い,同一の土壌条件でトランスデューサ間の距離を変化させ音速の測定を行った.また,土壌を水飽和させ攪拌した後,日数の変化に伴う振幅の変化を測定した. その結果,縦波の音速については栃木の1437m/sから京都の1604m/sまで,大きな幅があることがわかった.また,貫入応力は最小のものと最大のもので約5倍の違いがあった.しかしながら,縦波伝達速度と土壌硬度の明確な関係を得ることはできなかった.攪拌後,日数を経るに従って貫入応力が大きくなる傾向がどのサンプルにおいても見られた.同一サンプルに於いても,音速,振幅,貫入応力それぞれの関係を見いだすことはできなかった.市販の土壌硬度測定器は軟弱なサンプルを測定できないことが確認された.
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