研究概要 |
本年度は,サンプルとした土壌の特性を把握するために,各サンプル土壌の粒径分布を測定した.その結果,京都で採取した水田土壌は粘土,宇都宮で採取したものはシルト質粘土質ローム,荒木田土は粘土であることがわかった.また,軟弱土壌の硬さを計測するために,アクリルの板とサンプル土壌の間の音響インピーダンスの違いを利用する実験を行った.具体的には,超音波トランスデューサとサンプル土壌の間にアクリルの板を挟み,250Vのスパイク波を与えた.アクリルとサンプル土壌の間で反射した波を再びトランスデューサで電圧に変換し,その強度を比較した.これによって、各サンプル間の反射率の違いが明らかになった。さらに,振り子式の粘度計を用いて土壌表面の粘度の計測を行った.この粘度計は金属製の薄板でできた振動子を30Hzで振動させ,その振幅が一定になるように電力を制御し,あらかじめ求めてある検量線と比較し粘度の計測を行うものである.しかしながら,水飽和した軟弱土壌は,振動子の振動によって固体部分と液体部分が分離するため,液体部分つまり水の粘度を計るにとどまった.来年度は,この結果をふまえよりよい硬度測定方法の開発を行っていく予定である.
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