• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

腎間質線維化発現機序におけるTGF‐β1の作用に関する実験病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16780213
研究機関日本大学

研究代表者

鈴木 和彦  日本大学, 生物資源科学部, 助手 (00366626)

キーワード腎間質線維化 / TGF-β1 / 細胞外基質
研究概要

塩化水銀投与Brown Norwayラットの尿細管壊死後性腎間質病変におけるTGFβ-1の内因性制御因子としての各種細胞外基質の作用を検討した。TGF-β1活性化因子とされているtrombospondin-1 (TSP-1)mRNAの動態はTGF-β1 mRNAの動態と一致した動態を示し、尿細管上皮細胞および尿紳管間質での蛋白発現も経時的に増加していったため、TSP-1はTGFβ-1活性化作用と基質の蓄積の両面で線維化に寄与していることが示唆された。また、活性型TGF-β1抑制因子とされているdecorinの発現もTGF-β1の発現上昇から少し遅れて上昇し、間質への蛋白の蓄積もTSP-1よりは少ないが増加傾向を示したため、本モデルではdecorinはTGF-β1抑制因子としてではなく、TGF-β1によって産生増加が刺激され、間質線維化病変を形成する基質の一成分として作用していることが示唆された。
続いて、TGF-βスーパーファミリーの細胞内情報伝達経路を形成する因子であるSmadファミリーと核内でのこれらのco-repressorsの動態を検索した。これらのうち、TGF-β1の細胞内情報伝達経路特異的なサブファミリーに属するSmad2およびSmad3とTGF-βスーパーファミリーに属するすべての因子に共通のSmad4はTGF-β1とほぼ同様の動態を示して一過性に増加し、これらに抑制的に作用するSmad7の発現に増加は見られなかった。一方、co-repressorsのなかではSkiが軽度の増加を示した以外、優位な変動は認められなかった。これらのことから、Smad2、Smad3およびSmad4が本モデルにおいてもTGF-β1の細胞内情報伝達に関与している可能性が示唆された。

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi