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2004 年度 実績報告書

裁培植物からの遺伝子流動が近縁野生植物の集団構造に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 16780222
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

秋本 正博  国立大学法人帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (60312443)

キーワード遺伝的浸食 / 野生イネ / 浸透交雑 / 繁殖特性 / 集団構造 / マイクロサテライト
研究概要

当初の研究計画においては、ラオスの野生イネ集団のみを対象として実験を進めていくことになっていたが、ミャンマーの野生イネ集団より採集された材料も利用することが可能になったため、これらも含めて実験を行った。野生イネの種子より植物体を育成し、個体別に葉からDNAを抽出した。このDNAを用い、マイクロサテライトマーカーによる多型解析を行った。集団の遺伝子多様度を算出し、集団間で比較したところ、多年生生態型の集団の多様度が、一年生生態型の集団の多様度に比べ高くなる傾向を示した。また、マイクロサテライトアレルの集団内分布を調査したところ、一年生生態型の集団内ではアレルの分布がほぼ一様であったのに対し、多年生生態型の集団内ではアレルの分布が偏っており、遺伝的な細分化が生じていた。それぞれの集団に隣接する水田から採集された栽培イネについても同様の解析を行い、野生イネと遺伝子型の比較を行った。多年生生態型の集団では、水田近傍で採集された野生イネ個体に栽培イネと共通のマイクロサテライトアレルが多く確認できた。一年生生態型の集団では、集団内の特定の位置に偏らず、栽培イネと共通のアレルを持つ野生イネ個体が確認できた。このことは、多年生生態型の集団と一年生生態型の集団とでは、栽培イネからの遺伝的浸食の生じ方に差異があることを示唆している。DNA抽出後の植物体を帯広畜産大学ガラス室内で生育させた。しかしながら、帯広の夏期環境下では短日処理を行っても多くの個体が生殖生長を開始しなかった。そのため本年度は、野生イネ個体の形質評価を十分に行うことができなかった。
日本雑草学会第43回講演回において開催された、第1回遺伝子組換え植物の生態系影響評価研究会に招待され、本年度の研究成果の一部を発表した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 朱に交われば赤くなる -栽培イネとの浸透交雑による野生イネの遺伝的浸食-2005

    • 著者名/発表者名
      秋本 正博
    • 雑誌名

      雑草研究 50

      ページ: 21-29

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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