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2004 年度 実績報告書

ヒメツリガネゴケにおけるプロテインフォスファターゼを介したABAシグナル伝達機構

研究課題

研究課題/領域番号 16780235
研究機関東京農業大学

研究代表者

坂田 洋一  東京農業大学, 応用生物科学部, 講師 (50277240)

キーワードアブシジン酸 / 環境ストレス耐性 / ヒメツリガネゴケ / プロテインフォスファターゼ / 分化・成長
研究概要

アブシジン酸(ABA)は乾燥、土壌表面の塩集積、低温、傷害といった植物の環境ストレス応答における重要なホルモンである。コケ植物であるヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)は、サイズが小さく、培養が容易であり、細胞分化や形態形成といった細胞レベルの変化を直接観察できる。さらに近年、相同組換えによる遺伝子ターゲティングを用いた解析が可能な唯一の植物として注目を浴びている。ヒメツリガネゴケにおけるABAの役割を解析するために、シロイヌナズナにおいてABAシグナル伝達をブロックすることが明らかになっているABIIの優性変異遺伝子abi1-1を過剰発現させた形質転換ヒメツリガネゴケを作出した。ヒメツリガネゴケの原糸体細胞は外的ABA(1μM)に応答してBrood cellと呼ばれる球状細胞に脱分化することが知られているが、今回作出したヒメツリガネゴケabi1-1過剰発現株(OE)は、100μM ABAを含む培地においてもBrood cell化が認められなかったことから、abi1-1 OEはABA非感受性であることが明らかとなった。このことから、高等植物とヒメツリガネゴケにおいてPP2Cを介したABAシグナル伝達経路が保存されていることが明らかとなった。このabi1-1 OEは極度に乾燥に弱くなっていることから、ヒメツリガネゴケにおいても乾燥耐性にABAシグナル伝達経路が重要であることが示された。一方、abil-1 OEの原糸体は野生型株と比較してカウロネマ細胞が多い傾向にあり、その茎様体は野生型株と比較して大きくなる傾向にあった。この事実は、高等植物と異なり、ヒメツリガネゴケにおいてABAはストレス耐性のみならず、その分化・成長にも大きく関与していることを示していた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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