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2004 年度 実績報告書

生体内マイケル付加反応を介して作用発現する天然由来成分の探索と機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 16790022
研究機関京都薬科大学

研究代表者

森川 敏生  京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10340449)

キーワード没薬 / myrrhanol A / NO産生抑制活性 / iNOS発現抑制活性 / Crinum yemense / yemenin A / マイケル付加反応 / 低分子リガンド
研究概要

これまでに,α-methylene-γ-butyrolactone構造を有するキク科植物由来セスキテルペンであるconstunolideやdehydrocostus lactoneなどがシステインやメルカプトエタノールなどに対し立体選択的マイケル型付加反応を起こることを明らかにしており,またconstunolideやdehydrocostus lactoneなどに認められた誘導型NO合成酵素(iNOS)の発現抑制活性が,システインやメルカプトエタノールなどの付加体では活性が減弱することを見いだしている.これらの知見から,constunolideやdehydrocostus lactoneなどがタンパクのシステイン残基などと結合することによって,ターゲットタンパクの機能を消活しているものと推察し,同様の作用メカニズムを有する低分子リガンドを探索することを目的とする.
今年度は,マウス腹腔マクロファージを用いたリポ多糖刺激によるNO産生抑制活性を一次スクリーニングとし,各種炎症性疾患の治療や改善に用いられる世界各地の薬用植物から活性成分を探索した.
その結果,スリランカやインド地域の伝統医学であるアーユル・ヴェーダやユナニー医学において炎症性疾患の治療に用いられている没薬から,5種のpolypodane型新規トリテルペンmyrrhanol A, Bおよびmyrrhanone A, A acetateおよびBなど計6種の新規化合物を単離・構造決定するとともに,myrrhanol Aをはじめ数種の含有テルペノイド成分にNO産生抑制活性が認められた.さらに,iNOSに及ぼす影響を検討したところ,myrrhanol Aは,iNOSに対する酵素阻害活性は殆ど認められず,iNOSの発現を抑制することが判明した.同様にエジプト地域に自生するヒガンバナ科植物のCrinum yemenseの球根部から3種の新規ヒガンバナアルカロイドyemenin A-Cを単離・構造決定するとともに,yemenin Aをはじめ数種の含有アルカロイド成分がiNOS発現抑制活性に起因するNO産生抑制活性を有することを見いだすなど,新しいタイプの天然由来化合物(低分子リガンド)にconstunolideやdehydrocostus lactoneなどと共通する作用メカニズムを見いだすなど,平成16年度の当初計画をほぼ達成したものと考える.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] New Crinine-Type Alkaloids with Inhibitory Effect on Induction of Inducible Nitric Oxide Synthase from Crinum yemense2004

    • 著者名/発表者名
      Toshio Morikawa
    • 雑誌名

      J.Nat.Prod. 67

      ページ: 1119-1124

  • [雑誌論文] Absolute Stereostructures of Polypodane- and Octanordammarane -Type Triterpenes with Nitric Oxide Production Inhibitory Activity from Guggul-Gum Resins2004

    • 著者名/発表者名
      Toshio Morikawa
    • 雑誌名

      Bioorg.Med.Chem. 12

      ページ: 3037-3046

  • [雑誌論文] Absolute Stereostructures of Polypodane-Type Triterpenes, Myrrhanol A and Myrrhanone A, from Guggul-Gum Resin (the Resin of Balsamodendron mukul)2004

    • 著者名/発表者名
      Toshio Morikawa
    • 雑誌名

      Chem.Pharm.Bull. 52

      ページ: 1200-1203

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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