研究課題
複雑な糖鎖プローブ合成とその生理活性の評価昨年度に引き続き、糖タンパク質の品質管理機構解明の糖鎖プローブ合成とその生理活性の評価研究を行った。分子シャペロン(カルレティキュリンとその可溶型カルネキシン)の認識高マンノース型天然12糖のうち、グルコシダーゼIIの認識部位である分岐マンノース部を有せず、変わりに分子シャペロン認識部位をひとつ多く有する9糖を分子シャペロン阻害剤としてデザインし、合成した。品質管理機構に重要な分子シャペロンであるカルレティキュリンを組み換えタンパク質として大腸菌から発現させ、合成した本阻害剤とシャペロンとの結合能をITCを用いて測定したところ、天然12糖の結合能の約半分であることがわかった。次に、分子シャペロンの活性の阻害作用を検討した。分子シャペロンはマレイン酸デヒドロゲナーゼ(MDH)の熱変性し、MDHが凝集するのを防ぐ。この作用は糖などの存在で弱くなる。そこで、今回合成した糖の作用を検討したところ、合成9糖は予測どうり、分子シャペロンの作用を阻害し、MDHの熱変性による凝集が見られた。また、今回の分子は大腸菌で発現させたグルコシダーゼIIを含む抽出画分とインキュベーションしても、グルコースは除去されないことを、TOF-MASにより明らかにした。この画分は、天然12糖においては、分岐マンノース部があるため12糖を認識し、グルコースが除去されることも対象実験として行った。
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