研究課題
低分子量G蛋白質Rasの不活性化因子でGAP(GTPase-activating Protein)ファミリーの一つであるCAPRI(Ca2+-promoted Ras inactivator)のダイナミクスを追究するため、免疫系のマスト細胞株RBL-2H3細胞からCAPRIのcDNAを単離し、蛍光蛋白質CFP(cyan fluorescent protein)とのキメラ遺伝子(CFP-CAPRI)を調製した。これをRBL-2H3細胞に発現させて安定発現株を樹立し、共焦点レーザ顕微鏡を用いてCFP-CAPRIの細胞内分布を観察した。その結果、CFP-CAPRIは細胞質内に均一に分布していることが分かった。そこで、カルシウムイオノフォアA23187を用いて細胞を刺激したところ、CFP-CAPRIは細胞質から細胞膜へ速やかに移行することが分かった。次に、マスト細胞を抗原刺激したときのカルシウムイオン濃度変化とCAPRIの細胞内動態を同時に追究した。その結果、CAPRIは細胞内カルシウムイオン濃度の上昇後に細胞質から細胞膜へ移行し、その後カルシウムイオン濃度の減少に伴って細胞質へ戻ることが明らかになった。現在、CAPRIの細胞膜への移行がMAPキナーゼの活性化と核移行に及ぼす影響について検討中である。また、それと並行してCAPRIの細胞膜への移行と機能発現におけるカルシウム感受性ドメイン、GRD(GAP-related domain)、PH(pleckstrin homology)ドメインの影響について解析中である。
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J.Immunol. (印刷中)