当該年度において、新規電位依存性K^+チャネル開口薬の電位依存性K^+チャネル(Kv1.1-1.6、Kv4.2-4.3)に対する作用を検討し、電位依存性をはじめとする各種生物物理学的パラーメータに対する作用を電気生理学的手法により詳細に検討した(投稿中)。また、電位依存性K^+チャネルのうち早期不活性化K^+チャネルKv1.4の不活性化ポリペプチドを欠損した変異体を作成し、同様の検討をした。米国ネバダ大学生理学教室との共同研究により、早期不活性化K^+チャネル、Kv4.3チャネルのCaMキナーゼII(CaMKH)推定リン酸化部位の点変異体を作成し、薬理学的、電気生理学的手法によりKv4.3チャネルのCaMKIIリン酸化部位を同定するとともに、CaMKIIのKv4.3チャネル電位依存性、不活性化機構に及ぼす影響について検討した(研究業績参照)。 最近、dipeptidyl aminopeptidase-like protein(DPP)6および10がKv4.3チャネルの電位依存性に影響を及ぼすことが報告された。しかし、心筋ではこのような分子はクローニングされていない。心筋早期不活性化K^+チャネルの機能制御分子を探索するために、酵母two-hybrid screening法によりヒト心臓cDNAライブラリーから、Kv43の細胞内N末端、C末端領域と相互作用するタンパク質のスクリーニングを開始した。 名古屋大学大学院医学研究科中山助教授や米国カリフォルニア大学サンディエゴ校生物工学部のGiles教授との共同研究ではそれぞれ消化器ペースメーカー細胞や心筋繊維芽細胞に電位依存性K^+チャネルが機能発現することを見出した(研究業績参照)。
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