研究課題
システインプロテアーゼ阻害活性を示す異常アミノ酸含有ペプチドMiraziddine Aの合成とその誘導体合成を検討した。様々な活性相関を実現するために大量スケールでの化合物の供給ならびに、固相上での迅速な合成法の確立について検討をおこなった。種々検討した結果、Boc-Arg(Boc)2-OHを原料に用いて、ワインレブ化、アミドの還元、不飽和エステルの導入を満足のいく収率で行うことができた。保護基の除去ならびに他の保護基の導入などにも問題はなく、真に有効なビニルアルギニンの合成法を確立することができた。昨年までにすでにMiraziridine Aの他の異常アミノ酸についての合成は確立しているので、これらを用いて液相中での縮合反応を行ったところ、望む天然物であるMirazieidine Aの世界で2番目の合成を達成することに成功した。さらにクロロトリチル樹脂を用いた固相合成にも挑み、その合成も合わせて達成することができた。これによって、天然物合成としての成功を得ることができた。つぎにこの結果を踏まえ、様々なアミノ酸誘導体を用いてアナログ対の固相合成を行い、現在ライブラリーを作成している段階である。生物活性についてはカテプシンDを用いたアッセイ法を検討し、アミノメチルクマウリンを蛍光物質に用いた方法で感度よく検出できることを見いだしている。さらにSARS由来システインプロテアーゼの大腸菌を用いた大量発現系にも成功した。来年度は最終年度として、ライブラリーの構築から生物活性の実際の測定、非ペプチド化に挑戦する予定である。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
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