平成16年度の研究計画調書に記した研究計画に沿って、実験を行った。 アフリカツメガエルSox7遺伝子に対してモルフォリーノ・アンチセンスオリゴDNAとセンスRNAを作製し、アフリカツメガエル受精卵にマイクロインジェクションした。モルフォリーノ・アンチセンスオリゴDNAは、従来のアンチセンスオリゴDNAに比較し、生体において安定であるため効率のよい作用効果が得られることが知られているので、この実験ではモルフォリーノ・アンチセンスオリゴDNAを用いた。我々は、モルフォリーノ・アンチセンスオリゴDNAとセンスRNAの作用効果を確認するために、マイクロインジェクションするにあたり各々の濃度を調節し、Sox7の翻訳が濃度に比例して抑制されているかどうかを確認するために、インジェクション後の初期胚を用いて、ウェスタン分析を行った。アンチセンスオリゴDNAとセンスRNAの作用効果を確認した後、Sox7蛋白質発現が調節された胚を用いて、これらの胚の心臓の動きをビデオに収録中である。またビデオ収録と平行して、アフリカツメガエル正常胚とSox7発現調節を行ったツメガエル初期胚を用い、パラフィン切片を作製し、我々が作成した抗ツメガエルSox7ポリクローナル抗体を用いて免疫染色を施した。現在、正常初期胚とSox7発現調節を行ったツメガエル初期胚の心臓におけるSox7の局在を比較すると共に、Purkinje線維の組織学的構築も相互に比較し、Sox7蛋白質の心臓形成に関する役割を調べている。
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