我々は、平成17年度の研究計画に従って、実験を行ったのでその結果を報告する。 アフリカツメガエル受精卵に、Antisense/sense RNAやoligo-DNAをマイクロインジェクションし、XSox7遺伝子の発現調節を試みた。マイクロインジェクションされたツメガエル胚におけるXSox7遺伝子の発現量を調べるために、インジェクションされた初期胚を用いて、ウェスタン分析を行い、発現調節が正確に行われているかどうかを調べている。Antisense/sense RNAやoligo-DNAでうまく発現の制御が出来ない場合には、Morpholino-oligoDNAの使用も予定している。発現量を調べると同時に、インジェクションされた初期胚における、Xcardiac troponine I等の心筋特異的に発現する遺伝子の発現をwhole mount in situ hybridization法により検索している。Xsox7遺伝子の発現は、whole mount in situ hybridization法から、心臓のみならず、頭部や神経系においても強く発現していることから、心臓の形成のみならず、頭部及び神経系の形成に深く関与していると考えられる。よって、我々は、Xsox7遺伝子の胚形成における役割として、心形成にだけ関与するものとは考えず、もっと広く、頭部や神経系の形成に関与する遺伝子の制御も考慮に入れながら研究を進めていく予定である。
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