研究概要 |
(1)β_3 cDNAのpTracer/CMV2への組み込み、点変異体の作製 家兎Ca^<2+>チャネルβ_3のcDNA(X64300)が組み込まれたホ乳類細胞発現用プラスミドベクター(pRc/CMV)よりPCR反応によりβ_3cDNAを増幅し、Green fluorescent protein(GFP)を発現可能なほ乳類細胞発現用ベクター(pTracer/CMV2)にDNA組み替えをおこなった。さらに,β_3の416番目のチロシンをアラニンに置換した点変異をPCRにて作製した。既に作成済みのα_<1C-b> cDNA(X55763)安定形質発現細胞(COS7)にβ_3-pTracer/CMV2遺伝子をリポフェクション法にて導入し、パッチクランプ法にてL型Ca^<2+>チャネル電流の測定をおこなっている。また、PCRにて作製した変異型Y416A β_3-pTracer/CMV2の作製を行っている。 (2)野生型及び変異体Y416A β_3組換え蛋白の精製 野生型及び変異体Y416A組換えCa^<2+>チャネルβ_3サブユニット蛋白のチロシンリン酸化反応を検討するため、組換え蛋白の精製を行った。野生型pET/15b-β_3及び変異型pET/15b-Y416A β_3プラスミド組替え体を作製し、BL21-CodonPlus^<【○!R】>(DE3)-RILコンピテント細胞の形質転換を行い、Isopropyl-thio-β-D-Galactopyranosideにて組替え蛋白の発現を誘導した。大腸菌内で産生されたHisタグ化組換え蛋白を非変性条件下で抽出し、Ni-NTA agarose gelを用いたアフィニティークロマトグラフィーで精製した。その結果、分子量約60kDの蛋白が精製できた。抗Hisタグ抗体及び抗β_3サブユニット抗体を用いたウエスタンブロットにより、精製蛋白はヒスチジンタグ化Ca^<2+>チャネルβ_3サブユニット蛋白であるのが確認できた。
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