研究概要 |
1)α_<1C-b>-L型カルシウム電流へのβ_3サブユニットの役割 遺伝子組換えにて作成したβ_3/pTracer-CMV(Green Fluorescent Protein発現プラスミド)遺伝子を、リポフェクション法によりα_<1C-b>安定形質発現細胞(9D3)細胞内に導入した。導入48時間〜72時間後に、顕微鏡ステージ上の細胞還流漕内へカバーグラスに生着した培養9D3細胞を蛍光顕微鏡(Nikon Eclipse TE300)を用いて観察し、緑色に蛍光発色している細胞を選択した。パッチ電極を細胞に吸着させた後、5mM Ba^<2+>をチャージキャリアーとして、膜電位固定法下にカルシウムチャネル電流の測定を行っている。 2)チロシンキナーゼによるβ_3サブユニットリン酸化の検討 大腸菌発現系を用いて作製した正常体及び変異体β_3サブユニット組換え蛋白を、アクティブpp60^<c-Src>酵素(Upstate社製)とin vitro kinase反応を行っている。 3)pp60^<c-Src>過剰発現によるL型カルシウム電流への影響 ラット大動脈由来培養血管平滑筋細胞(A7r5)に野生型Src cDNAを含む発現ベクター(Src(wt)/pUSEamp(-), Upstate社製)を導入し、Src遺伝子を過剰発現させた。その後、ネオマイシン(1mg/mL)遺伝子発現陽性細胞を選択し、安定形質発現細胞を確立した(合計12クローン)。ウエスタンブロット法の結果、Src(wt)/pUSEamp(-)導入クローン細胞群は(-)/pUSEanp(-)導入細胞に比して、約50倍量のpp60^<c-Src>蛋白の発現が確認された。現在、L型カルシウム電流の振幅および電位依存特性を比較検討中である。
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