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2005 年度 実績報告書

tPAによる脳梗塞治療に伴う血液脳関門の破綻について

研究課題

研究課題/領域番号 16790152
研究機関浜松医科大学

研究代表者

鈴木 康裕  浜松医科大学, 医学部, 助手 (00324343)

キーワードtPA / 脳梗塞 / 血液脳関門
研究概要

脳梗塞治療における組織型プラスミノージェン活性化因子(tPA)による血液脳関門(BBB)について、tPAとその生体内阻害因子PAI-1との比較検討を行った。PAI-1過剰発現マウスでの中大脳動脈永久閉塞(pMCAO)による脳梗塞は縮小していた。脳梗塞部位でのtPA/PAI-1複合体がPAI-1過剰発現させることにより増加していた。PAI-1を直接脳室内に投与することでも脳梗塞を抑制した。また、tPA遺伝子欠損マウスでは、PAI-1投与、非投与群が同じ脳梗塞巣の大きさであり、野生型のPAI-1非投与群脳梗塞が増加していた。これらのことから、血管外漏出したtPAが神経細胞死促進したと考えられ、tPAが虚血中の神経細胞死を促進させる報告と一致する。一方、PAI-1過剰発現マウスでの血栓性中大脳閉塞(tMCAO)による脳梗塞は増悪した。PAI-1過剰発現マウスでは、虚血境界領域での血流が回復するまでの時間が遅延しており、内因性のtPAが抑制されることで血栓溶解が遅延し脳梗塞が進展したと考えられる。BBBの透過性が、虚血時間に依存して上昇しており、血栓溶解によるtPAの役割は脳梗塞を進展させないが、血栓溶解が虚血開始から時間が経過すると虚血再灌流傷害、あるいはBBBを越えてtPAが神経組織に拡散し、むしろ脳梗塞を進展させると考えられる(N.Nagai, Y.Suzuki et al., JTE, 2005)。さらにtPA投与によるBBBの透過性をpMCAOにて検討を行ったところ、虚血4時間後以降での投与によって上昇し、それが一過性であることを確認した。この上昇は、tPAが結合する受容体の一つであるLDL related protein(LRP)あるいはVLDL受容体が、関与していた(第79回日本薬理学会年会にて報告)。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of plasminogen activator inhibitor-1 on ischemic brain injury in permanent and thrombotic middle cerebral artery occlusion models in mice.2005

    • 著者名/発表者名
      N.Nagai, Y.Suzuki et al.
    • 雑誌名

      Journal of Thrombosis Haematosis 3(7)

      ページ: 1379-1384

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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