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2004 年度 実績報告書

産褥子宮における止血と血管の復古についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 16790209
研究機関大阪市立大学

研究代表者

若狭 朋子  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70281269)

キーワード産褥 / 子宮 / 血管 / 血管内皮 / 頚管裂傷 / 産後出血 / 復古 / 止血
研究概要

本年度の検索で我々は大阪の産科後送施設からインフォームド・コンセントの得られた15例の子宮破裂及び重度頸管裂傷症例を集めることができた。(出産時母体年齢;29歳から39歳(平均33.7歳)胎児娩出後子宮摘出までの時間;30分から19日)
摘出された子宮体部の動静脈についてHE,弾性線維染色、CD34,α平滑筋アクチン、ラミニン、VEGF, ss-DNA、Ki-67、D2-40、cD61,オキシトシンレセプター等を染色し娩出後の時間に沿って検討した。比較対象として子宮頚部上皮内癌のために摘出された未経産婦の子宮と、分娩後60日と7年の子宮とを用いた。
HEの検討により子宮血管は内膜側の血管と漿膜側では異なる変化を示すことがわかった。すなわち、子宮内膜側の動脈において、内弾性板は分娩5時間後に不完全ながらも出現し、著しい血管内皮の肥厚が認められる。分娩110時間後では血管内皮が血管内腔に突出するような形態をとる。しかし内皮の肥厚は分娩60日後には消失し内腔もほぼ円形となる。
一方、子宮漿膜側の血管では主として静脈に変化が認められる。分娩直後から静脈は血管内皮が内腔に突出するように強く迂曲する。そして静脈壁の弾性線維は分娩5時間後でかろうじて出現してくる。さらに分娩19日後では静脈壁内に2-3層にわたり弾性板が認められるようになる。分娩60日目後には周囲の平滑筋内に及ぶ放射線状の弾性線維が認められるようになりこの形態はその後年余にわたって残存することが分かった。
分娩三期の子宮は、その急速な収縮により拡大していた血管はおよそ1/8に収縮され強く迂曲する。そのために分娩直後の血管の変化は内膜側の動脈では循環不全の臓器で起こるものと同様の変化を示し、漿膜側の血管では静脈瘤等で起こるものと同様の血管壁の変化を示すことがわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 多発性脳梗塞に胃癌を合併した抗リン脂質抗体症候群の一剖検例2004

    • 著者名/発表者名
      稲畑利彦, 濱田匡樹, 廣辻和子, 宮本一郎, 若狭朋子, 若狭研一
    • 雑誌名

      医学検査 53(6)

      ページ: 886-889

  • [雑誌論文] A case of fat necrosis after breast quadrantectomy in which preoperative diagnosis was enabled by MRI with fat suppression technique2004

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki H, Morimoto K, Koh M, Okamura T, Wakasa K, Wakasa T, Kinoshita H
    • 雑誌名

      Magnetic Resonance Imaging 22

      ページ: 285-290

  • [雑誌論文] Analysis of clonality and HPV infection in benign, hyperplastic, premalignant, and malignant lesions of the vulvar mucosa2004

    • 著者名/発表者名
      Ueda Y, Enomoto T, Miyatake T, Shroyer KR, Yoshizaki T, Kanao H, Ueno Y, Sun H, Nakashima R, Yoshino K, Kimura T, Haba T, Wakasa K, Murata Y
    • 雑誌名

      Am J Clin Pathol 122

      ページ: 226-274

  • [雑誌論文] A histopathological study on combined hepatocellular and cholangiocarcinoma : cholangiocarcinoma component is originated from hepatocellular carcinoma.

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Wakasa, Kenichi Wakasa, Taichi Shutou, Seikan Hai, Shoji Kubo, Kazuhiro Hirohashi, Koji Umeshita, Morito Monden
    • 雑誌名

      Hepato-gastroenterology (In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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