1.SCID-huマウスを用いた肝細胞癌特異的ヒト抗体phageライブラリーの作成 1.SCID-hu-PBL(ヒトリンパ球移植SCIDマウス)に肝細胞癌株KIM1、膜画分を免疫した。賦活化されたリンパ球からmRNAを抽出し、PCR法を用い、single chain Fv cDNAを作成を行った。 2.cDNAをphagemidに組み込み、約10^8個のphageライブラリーを作成した。 3.KIM1をpanning tube上に固定し、panningを行った。Panningの際非特異的結合が抑えられる条件決めを行った。 2.scFvライブラリーから全長immunoglobulin発現系の確立 作成したライブラリークローンのphage ELISAと、同様のscFv蛋白によるELISAの陽性率が異なることが分かり、一つの理由として、作成されたscFvの蛋白としての不安定性、unfoldingが示唆された。Fvは本来の抗体の抗原認識部位のみであり、可溶化その他の面で不利な構造と考えられる。そこで、phage抗体より直接全長immunoglobulinを発現する系を確立した。 1.ヒト末梢血よりimmunoglobulin、heavy chain、light chainの全長cDNAをクローニングした。PCR法を用い、Fv領域を組み換えるための発現ベクターを作成した。 2.既存のscFvよりFv領域をPCR法にて増幅し、上記ベクターにクローニングした。 3。発現ベクターをCHO細胞に導入し、約140-150kDaのIgG蛋白の発現を確認した。
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