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2005 年度 実績報告書

化学療法感受性オリゴデンドログリオーマに特異的なマーカーの解析

研究課題

研究課題/領域番号 16790216
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

三上 修治  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20338180)

キーワードグリオーマ / CGH / 化学療法 / OLIG2 / ID2
研究概要

【目的】Astrocytoma(AS)の予後は概ね不良であるが、1pの欠失(-1p)を有するoligodendroglioma(OL)は化学療法が著効を示し予後良好である。しかし、組織学的所見のみで両者を鑑別することは困難である。本研究ではoligodendrogliaの分化に関与する転写因子OLIG2とその阻害因子ID2に着目し、OLIG2,ID2発現とglioma細胞形態の関連を検討した。
【方法】AS由来の細胞株U251MGにID2発現を抑制するTGF-βを添加して培養し、OLIG2、GFAP発現の変化を検討した。Glioma切除検体38例におけるOLIG2,ID2発現を免疫組織学的に解析した。Paraffin切片からDNAを抽出し、CGH法により染色体異常を調べた。
【結果】TGF-βを添加してU251MGを培養するとID2発現の抑制に伴ってOLIG2発現が誘導され、GFAP発現が抑制された。ASではID2がOLIG2よりも高発現し、OLではOLIG2がID2よりも高発現していた。-1pはOLの64%(7/11),ASの4%(1/27)に認められた。-1pを伴うgliomaでは、OLIG2がID2よりも高発現していた。
【考察】OLIG2,ID2発現がgliomaの細胞形態に密接に関連していると考えられた。特に同一細胞株でもOLIG2,ID2発現の変化はGFAP発現と関連していることから、両者の相対的発現量がglioma細胞形態を規定する因子であることが示唆された。また、実際の病理診断ではOLIG2とID2の相対的発現量がASとOLを鑑別するための有用な指標となると考えられた。OLIG2,ID2染色は-1pを有する化学療法感受性グリオーマのスクリーニングに役立つことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] GliomaにおけるOLIG2,ID2発現および染色体異常について2005

    • 著者名/発表者名
      三上修治, 廣瀬雄一, 吉田一成, 長島和郎, 大西晶子, 岡田保典, 池田栄二
    • 雑誌名

      日本病理学会会誌 94・1

      ページ: 232

  • [雑誌論文] Chromosomal aberrationに基づいたグリオーマの遺伝学的分類と補助療法感受性との関連2005

    • 著者名/発表者名
      廣瀬雄一, 池田栄二, 三上修治, 佐々木光, 大場茂生, 吉田一成, 河瀬斌
    • 雑誌名

      Brain Tumor Pathology 22・Suppl

      ページ: 77

  • [雑誌論文] C-jun activation in acquired cystic kidney disease and renal cell carcinoma.2005

    • 著者名/発表者名
      Oya M, Mikami S, Mizuno R, Marumo K, Mukai M, Murai M
    • 雑誌名

      Journal of Urology 174・2

      ページ: 726-730

  • [雑誌論文] EMR of a hyperplastic polyp arising in ectopic gastric mucosa in the cervical esophagus case report2005

    • 著者名/発表者名
      Oguma J, Uzawa S, Umori T, Kitagawa Y, Saikawa Y, Mikami S, Kitajima M
    • 雑誌名

      Gastrointestinal Endoscopy 61・2

      ページ: 335-338

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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