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2005 年度 実績報告書

マラリア防御免疫記憶の分子的解析

研究課題

研究課題/領域番号 16790243
研究機関群馬大学

研究代表者

鈴江 一友  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00333485)

キーワードマラリア / 免疫記憶 / T細胞 / CD4 / CD8 / ノックアウトマウス
研究概要

病原体感染予防で最も優れているのはワクチンであり、これを開発するためには、感染による防御応答を詳細に観察し、最も有効な免疫系のファクターが何であるのかを追究する必要がある。またその防御免疫記憶がどのようなメカニズムで維持されるのかを理解する必要がある。しかしマラリアにおいては、どのようなファクターが防御免疫において最も重要な機能を持つのかが、未だに不明である。
我々はRag2ノックアウトマウス(T細胞とB細胞を欠損)やMHCノックアウトマウス、ZAP-70ノックアウトマウス(いずれもT細胞を欠損)が、マラリア原虫強毒株Plasmodium berghei NK65の感染で、免疫機能が正常な野生型マウスよりも長期にわたって生存することを見出した。以上の結果は、マラリア免疫においてあるT細胞のサブセットが感染増悪因子であることを意味する。この結果を踏まえ、次に抗体投与により野生型マウスのCD4+T細胞あるいはCD8+T細胞を消去し、P.berghei NK65を感染させた結果、CD8+T細胞が感染増悪因子であることが認められた。次にこの赤内型マラリアにおけるCD8+T細胞の活性化メカニズムを追究するために、マラリア抗原とは全く無関係のTCRのトランスジェニックマウス(HY/Rag2-/-,P14LCMV/Rag2-/-,OT-I/Rag2-/-,いずれも末梢T細胞はCD8+)を用い、これにP.berghei NK65を感染させると、意外にもこれらのTCRトランスジェニックマウスはコントロールのRag2-/-マウスと比較すると早期に死亡し、末梢CD8+T細胞の活性化が認められた。また同様に末梢T細胞がCD4であるTCRトランスジェニックマウス(DO11.10/Rag-/-、Cyt5c.c7/Rag-/-)においては、P.berghei NK65による死亡時期はコントロールのRag2-/-マウスと有意な差は認められなかった。
以上の結果からマラリア感染においてCD8+T細胞は感染増悪因子であり、その活性化はTCR非特異的であることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 臨床免疫学(上)2005

    • 著者名/発表者名
      鈴江 一友ほか
    • 総ページ数
      710(7)
    • 出版者
      日本臨床社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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