研究課題
クリプトスポリジウム原虫のalternative oxidase (pAOX)を低濃度(IC_<50>=0、2nM)で阻害するアスコフラノンの、in vitro培養クリプトスポリジウム原虫に対する効果を判定することは、本申請研究が最終的に目的とするin vivoにおける最適な投与法開発に不可欠であると考えられた。そこで、本年度はin vitro培養系の確立とアスコフラノンの効果判定に焦点を絞って研究を行った。37℃、RPM11640中で培養しているAG5細胞に10^6個のオーシストを感染させた。24時間後にアスコフラノンの濃度を変えて培養液中に添加し、24時間後に残存しているオーシストを抗酸染色法、直接蛍光抗体法により観察し、薬剤の効果を検討した。その結果、濃度120nMから12μMの間で濃度依存的にオーシスト数が減少し、12μMでは約20%まで減少した。この事は、in vitroの組み換え酵素を用いたCpAOXの阻害結果を反映していると考えられ、アスコフラノンが有望な抗クリプトスポリジア症薬となり得る事を示した。しかし各実験ごとに、オーシスト数に変動が見られた。この原因としては、これまでの報告にもあるようにin vitro培養系ではオーシストの形成が不十分であり、またその生存率の減少により、各回の実験結果に相違がみられたと考えられる。より再現性の高い結果を得るためには、メロントでの効果判定を行う必要があると考えられ、その条件検討を開始した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
Biochem.Biophys.Res.Commun 313
ページ: 1044-1052
Parasitol.Int. 53
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