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2004 年度 実績報告書

HTLV-I感染特異的神経障害機構に基づくHTLV-I関連脊髄症発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16790274
研究機関鹿児島大学

研究代表者

岡本 実佳  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90336347)

キーワードHTLV-I / エンベロープ蛋白質 / 中枢神経細胞 / アポトーシス / カスパーゼ / Smac / DIABLO / チトクロームc / 小胞体
研究概要

我々はこれまでに、HTLV-Iエンベロープ蛋白質がヒトおよびマウス神経細胞においてアポトーシスを誘導することを明らかにした。そこで、今年度の研究では、HTLV-Iエンベロープ蛋白質による神経細胞アポトーシス誘導のメカニズムについて検討した。C57BL/6胎仔マウスの大脳皮質より得られた中枢神経細胞にリコンビナントHTLV-Iエンベロープ蛋白質を作用させ、化学発光測定システムを用いて、各サンプルの生細胞率、各種カスパーゼ活性を測定した。その結果、HTLV-Iエンベロープ蛋白質で処理された神経細胞において、非処理細胞と比較して、それぞれの特異的阻害剤感受性である、有意なカスパーゼ3および9活性の上昇が認められた。HTLV-Iエンベロープ蛋白質による神経細胞でのカスパーゼ3の有意な活性化は、神経マーカーであるMAP2と活性化カスパーゼ3に対するそれぞれの抗体を用いた二重組織染色により確認された。一方、カスパーゼ8の活性化は認められなかった。さらに。HTLV-Iエンベロープ蛋白質で処理された神経細胞から抽出された細胞質画分をウェスタンブロット法で解析した結果、チトクロームc、また、Smac/DIABLOのレベルの上昇が認められた。さらに、カスパーゼ12の断片化も認められた。以上のことから、HTLV-Iエンベロープ蛋白質は神経細胞において、チトクロームcやSmac/DIABLOのミトコンドリアからの流出を引き起こし、それらによるカスパーゼ9の活性化、引き続いてカスパーゼ3の活性化を引き起こす。また、カスパーゼ12の断片化を引き起こし、それによってもカスパーゼ3の活性化を引き起こすと考えられた。これらのことから、HTLV-Iエンベロープ蛋白質は小胞体およびミトコンドリア依存性の細胞死カスケードのクロストークを介しで神経細胞にアポトーシスを誘導すると示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Potent activation of antigen-specific T cells by antigen-loaded nanospheres.2005

    • 著者名/発表者名
      Wang X, et al.
    • 雑誌名

      Immunol.Lett. (in press)

  • [雑誌論文] Induction of cellular resistance to nucleoside reverse transcriptase inhibitors by the wild-type breast cancer resistance protein.2004

    • 著者名/発表者名
      Wang X, et al.
    • 雑誌名

      Biochem.Pharmacol. 68

      ページ: 1363-1370

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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