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2005 年度 実績報告書

免疫グロブリン様受容体PIRによる免疫監視機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16790282
研究機関東北大学

研究代表者

中村 晃  東北大学, 加齢医学研究科, 講師 (20344723)

キーワード免疫学
研究概要

免疫グロブリン様受容体PIR(Paired immunoglobulin-liker receptor)による自己認識機構解明
ウィルスなどに侵襲された非自己組織と正常自己組織の鑑別は、生体がもつ免疫監視機構の中でも最も重要な識別機構の一つである。自己・非自己認識システムの破綻は、自己免疫疾患など、即座に疾患の発症につながる。とりわけ主要組織適合性抗原であるMHCクラスI分子はこの自己認識システムの主要なマーカーとしての役割を果たしている。これまでその認識機構はCD8+T細胞のT細胞受容体(TCR)やNK細胞上のキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)によるものが知られているが、CD8+T細胞やNK細胞以外の、例えばB細胞やDCなど他の免疫担当細胞においてMHCクラスI分子の認識システムの存在は不明であった。一方、PIRは免疫グロブリン様受容体ファミリーに属し、活性化シグナル伝達を担うPIR-Aと抑制性シグナル伝達を行うPIR-Bの受容体ペアである。我々はPIR-BがMHCクラスI分子と結合することを明らかにし、骨髄球系細胞においてMHCクラスI分子を認識する新規のMHCクラスI受容体であることを突き止めている。しかしながら、PIR-Bが標的細胞あるいは自己細胞上のMHCクラスI分子を認識するかどうかは不明のままであった。今回我々はマスト細胞上でPIR-Bが自己細胞上でMHCクラスI分子を認識することを明らかにした。PIR-B遺伝子欠損マウスさらにはリガンドであるMHCクラスI分子を発現しないβ2-microglobulin欠損マウスでも、アレルギー反応が亢進することから、PIR-BとMHCクラスI分子によるCis結合がアレルギー反応の制御に重要な役割を担っていると考えられた(投稿準備中)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] GVH病におけるPaired immunoglobulin-like receptor B(PIR-B)の役割2006

    • 著者名/発表者名
      小林栄治, 中村 晃, 高井俊行
    • 雑誌名

      臨床免疫 43巻・2号

      ページ: 215-218

  • [雑誌論文] Fc receptor targeting in the treatment of allergy, autoimmune diseases and cancer2005

    • 著者名/発表者名
      中村 晃, 秋山健一, 高井俊行
    • 雑誌名

      Expert Opinion on Therapeutic Targets 1号

      ページ: 169-190

  • [雑誌論文] 加齢による免疫機構の変化と抑制性レセプター2005

    • 著者名/発表者名
      中村 晃, 高井俊行
    • 雑誌名

      生体の科学 56巻・6号

      ページ: 639-645

  • [雑誌論文] 呼吸器系の生物学 マスト細胞とFcレセプター2005

    • 著者名/発表者名
      遠藤章太, 中村 晃, 高井俊行
    • 雑誌名

      Annual Review呼吸器

      ページ: 26-32

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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