研究課題
【臨床研究1】健常被験者約20名を対象とし、鎮静性坑ヒスタミン薬ケトチフェンおよび非鎮静性抗ヒスタミン薬のフェキソフェナジンやオロパタジンの鎮静作用を調べた。上述の抗ヒスタミン薬またはプラセボを前投薬して、^<11>C-ドキセピン(ヒスタミンH1受容体のリガンド)をトレーサーとしたPET検査を行なって薬剤の脳移行性を評価した。PETによって、非鎮静性坑ヒスタミン薬の微妙な鎮静作用の違いを鋭敏に捕らえられることが確認され、その結果を現在投稿中である。また、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン(鎮静性坑ヒスタミン薬)およびプラセボを投与した被験者において、主観的眠気や倦怠感、認知機能(単純・選択反応時間、文字弁別課題)、野外実車運転によるブレーキ反応時間測定を行い、多面的な臨床データを収集した。鎮静性坑ヒスタミン薬を服用した状態では、自動車運転時のブレーキ反応が遅延することが観察された。また携帯電話通話中にもブレーキ反応が遅延すること、抗ヒスタミン薬服用後に携帯電話通話を行なうときには、相乗効果によってさらにブレーキ反応が遅延することが確認された。同時に複数の課題を処理するときにはヒトの脳の処理速度が低下する原因を解明するために、二重干渉課題遂行時および自動車運転シミュレーション中の脳血流変化をPETで観察した結果、大脳皮質の複数の部位における機能抑制が関係していることが明らかにされた。これらも現在投稿中。【臨床研究2】40名の被験者を募集して血液サンプルを採取し、PCR-RFLP法などによりp-糖蛋白をコードするMDR遺伝子の主要な多型(C1236T、C3435T、G2677A/T変異など)を調べた。現在、PET検査を行って脳データを収集しているところである。遺伝子多型のサブタイプ別にPETデータを解析することで、薬剤排出ポンプの機能をもつp-糖蛋白の遺伝子多型が薬剤の脳移行性に関与していることが明らかにされる可能性がある。
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