研究課題
心筋酸素代謝定量解析のためのプログラムが完成し、得られた3次元解析データの、左室の輪郭自動抽出とその局所解析を行うためのデータ解析にかかる時間が、解析プログラムの導入により解析時間の大幅な短縮することが可能となった。そのため検査当日に検査結果を報告することが可能となった点は、臨床への応用を勧める上で重要な点であると考える。実際に臨床検査データ解析を行うことができるところに至ったため、ポジトロン断層撮影検査(PET)による心筋糖代謝、心筋血流量定量化の過去の研究報告をもとに^<15>O-O_2、^<15>O-waterPET検査を行い、心筋血流量、酸素消費量のデータ収集を行っている。解析結果を基に過去の報告による正常値との比較検討を行い、^<15>O-O_2の検査投与量、撮像時間等や検査プロトコールについて検討し、さらなる改良も検討事項である。現在、拡張型心筋症患者に対しても^<15>O-water、^<15>O-O_2PET検査を開始し、心筋酸素消費量(MMRO_2)、心筋酸素摂取率(OEF)の計測を開始し、特にbiventricular pacing植え込み患者において、ペーシングモード変更時の酸素代謝について評価を行い、その成果を学会にて報告を行っている。今後は拡張型心筋症患者に対し治療3-6ヶ月後の慢性期における評価を^<15>O-water、^<15>O-O_2PET検査にて行い、β遮断薬、ACE阻害薬治療前後もしくはvibentricular pacing植え込み前後の心筋酸素消費量(MMRO_2)、心筋酸素摂取率(OEF)、心臓仕事効率について評価を行っていき、左室全体のみならず局所における心筋代謝異常についても明らかにしていく予定である。
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日本内科学会雑誌 94・2
ページ: 49-54
Circulation Journal 16・Suppl.
ページ: 338
ページ: 349