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2004 年度 実績報告書

p53下流遺伝子の発現調節機構の解析と、それを応用した癌の分子標的予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16790326
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

吉田 達士  京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80315936)

キーワードp53 / 悪性腫瘍 / DR5 / TRAIL / 酪酸 / ヒストン脱アセチル化酸素阻害剤 / TSA / SAHA
研究概要

p53は約半数の悪性腫瘍で変異の見られる重要な癌抑制遺伝子である。p53下流遺伝子の発現を調節することはp53の機能失活を相補し、効果的な癌予防につながると考えられる。そこで、p53下流遺伝子のひとつであるDR5の発現をp53非依存的に調節する薬剤を探索し、その調節機構の解析を行った。
食物繊維の代謝産物である酪酸が、DR5の発現を誘導することを見い出した。この発現誘導効果は、p53が変異した白血病細胞でも見られたことから、p53非依存的であると考えられた。この発現誘導はタンパクレベルおよびmRNAレベルで起こっていることを、ウェスタンブロット法とノザンプロット法で確認した。また、ルシフェラ-ゼアッセイの結果から酪酸はプロモーターを介して、転写レベルでDR5発現を誘導していることを明らかにした。DR5のリガンドであるTRAILと酪酸を併用すると、白血病細胞に相乗的にアポトーシスを誘導した。しかしながら、この併用は末梢血中の正常細胞に対してはほとんどダメージがなかった。この結果から、酪酸とTRAILの併用が腫瘍選択的にアポトーシスを誘導できるという可能性が示唆された。酪酸はピストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACI)の作用を有する。他のHDACIであるTSAおよびSAHAでもDR5の発現を誘導することを見い出した。
他にも、フラボノイド類や力ロテノイド類がDR5の発現を誘導することを見い出しており、今後これらの薬剤によるDR5発現誘導の調節機構を解析する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Histone deacetylase inhibitors upegulate death receptor 5/TRAIL-R2 and sensitize apoptosis induced by TRAIL/APO2-L in human malignant tumor cells.2004

    • 著者名/発表者名
      Nakata S, et al.
    • 雑誌名

      Oncogene 23

      ページ: 6261-6271

  • [雑誌論文] Genistein induces gadd45 gene and G2/M cell cycle arrest in the DU145 human prostate cancer cell line.2004

    • 著者名/発表者名
      Oki T., et al.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 577

      ページ: 55-59

  • [雑誌論文] Promoter of TRAIL-R2 gene.2004

    • 著者名/発表者名
      Yoshida T., et al.
    • 雑誌名

      Vitamins and Hormones 67

      ページ: 35-49

  • [雑誌論文] Differential response at the hGABP/E4TF1 site of retinoblastoma gene promoter in human testicular seminoma cells

    • 著者名/発表者名
      Shiraishi T, et al.
    • 雑誌名

      Oncology Reports (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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