本研究は薬局において来客した喫煙者に対し薬局薬剤師が禁煙補助剤(ニコチンガム)を用いた禁教育を行い、その後のフォローアップを保健センターが行う連携システムの有効性を検討することを目としている。そこで16年度では研究体制の構築とドライランを、平成17年度は実際に介入研究を実施した。 本研究では薬剤師がニコチンガムを用いた禁煙教育(厚生労働省長期慢性疾患総合研究事業生活習慣病予防のための教材開発班で作成し、平成13年度厚生労働科学補助金健康科学総合研究事業「医療機関と市町村保健センターの連携による喫煙対策の有効性に関する研究」にて改変したプログラム)を行い、対象者を保健センターに紹介してその後3ヶ月間禁煙支援を行う群を介入群とした。一方で薬剤師が従来通りニコチンガムの服薬指導を行い、その後保健センターは禁煙支援をせず禁煙達成の確認のみ行う群を対照群とした。また介入・対照群とも禁煙宣言を行い禁煙実施予定日から3ヶ月間喫煙行動が出現しなかった者を禁煙達成者とした。また禁煙達成は両群とも禁煙達成の自己申告後、呼気中CO濃度が5ppm以下の者とした。 本研究に必要なサンプルサイズは140名であり、平成17年度禁煙希望者募集数は60名とした。また岩手県盛岡市薬剤師会の協力を得て岩手県盛岡市内の20薬局が本研究に参加した。1ヶ月間の募集間で禁煙希望者数59名が本研究に対象者として登録された。禁煙達成者数(%)は介入群8人(26.7%)対照群4人(18.2%)だった。 目標サンプルサイズまで対象者を募集すれば有意差が得られることが予想された。今後も研究を継続して有効性を明らかにしたい。
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