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2005 年度 実績報告書

新しい頭部外傷マーカー蛋白FE65の発現の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16790360
研究機関京都大学

研究代表者

飯野 守男  京都大学, 医学研究科, 助手 (80362466)

キーワード法医学 / 頭部外傷 / びまん性軸索損傷 / FE5 / diffuse axonal injury
研究概要

法医学実務における頭部外傷事例で,外力と死亡との因果関係との証明が困難な事例に関して,びまん性軸索損傷(diffuse axonal injury, DAI)の概念が注目されている。法医解剖事例では頭部外傷後短時間で死亡する例が多く,肉眼的頭部外傷所見を伴わないDAI症例では,頭部外傷が見逃されている可能性が否定できない。
βアミロイド前駆蛋白(β-amyloid precursor protein,β-APP)はDAIの診断マーカーとして昨今用いられ始めている。本研究ではβ-APPの結合蛋白の一つであるFE65が頭部外傷の新たなマーカーになりうるか検討した。これまでに研究者は,ラット頭部外傷モデルを用いた研究で,FE65mRNAが受傷後0.5時間で発現することを確認している。
本研究では同モデルを用いて,mRNAだけではなく,外傷後のFE65蛋白の脳内における発現を確認するのが目的である。以下の実験を行い,発現の有無を確認,検討した。
SD雄ラットを全身麻酔し,重量300gの真鍮製重りを1mの高さから頭部に自由落下させ,DAIを作製した。受傷後30分,1時間,3時間,6時間,12時間,24時間,72時間後に灌流固定を行ったあと,脳を取出し,HE染色,Bodian染色,抗FE65抗体を用いた免疫組織化学により組織病変について検討した。その結果,HE染色,Bodian染色においては,受傷後24および72時間後の軸索に,DAIに特徴的な軸索球axonal retraction ballや軸索の腫脹axonal swellingなど明らかなDAI所見が認められたものの,免疫組織化学においてはいずれの脳にも軸索に明らかな陽性像は認められなかった。今回の実験においては,FE65蛋白の発現が確認できなかったが,今後,頭数を増やしたり,発現方法の確認に異なる手法を用いるなどして,この蛋白が新たな頭部外傷マーカーになることを証明したい。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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